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デスクトップにはリネーム版のGTS 250が

ノート用最高速 GeForce GTX 280M/260Mが発表

2009年03月03日 18時05分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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 米NVIDIAは3日、ノートパソコン向けのGPU 3製品と、デスクトップ向けGPU 1製品を一斉に発表した。特にノートパソコン向けGPU 3製品は、ハイエンドに位置する高性能GPUに位置づけられている。

GeForce GTX 280M

GeForce GTX 280M

ノート初のGTXシリーズ登場

 発表されたノートパソコン向けGPUのラインアップは3機種。ハイエンド(エンスージアスト)級の「GeForce GTX 280M」「GeForce GTX 260M」と、1段下のハイパフォーマンス級に位置する「GeForce GTS 160M」である。

発表されたノート向け新GeForceのラインアップ

発表されたノート向け新GeForceのラインアップ(右列の上から3種類)

 名称から誤解しやすいが、NVIDIAの資料によればGTX/GTSともに、内部のコアはコード名「G92」と呼ばれたデスクトップ向けGPU「GeForce 9800 GTX」と同世代のコアを搭載している。名称はほぼ同じだが、デスクトップ向けのGeForce GTX 2xxシリーズは汎用演算(GPGPU)能力を強化したコード名「GT200」のコアを採用しているので、同名ながら異なる世代のコアとなる。10億個を超えるトランジスターを集積し、消費電力が200W近いデスクトップ向けと同じGPUを、ノートパソコンに搭載するのはさすがに非現実的だったのだろうか。

 55nmプロセスで製造されるGeForce GTX 280Mは、従来のノート向けGPUの最上位製品だったGeForce 9800M GTXと比べて、50%以上高速であるという。また、マルチGPU技術「SLI」にも対応している。GeForce GTX 280Mの場合、シェーダープロセッサー数は128基。コアクロックは585MHzでシェーダークロックは1463MHz。メモリーバンド幅は256bit幅、メモリークロックは950MHz。GeForce 9800M GTXが112基のコアクロック500MHzだったので、シェーダー数は微増だが、プロセスの微細化によるクロックの向上で性能を高めたようだ。メモリーにはGDDR3メモリーを使用。消費電力当たりの性能では、GeForce GTX 280MはGeForce 9800M GTXより20%程度向上しているという。

GeForce GTX 280Mの主な特徴とGPUサブボードの写真

GeForce GTX 280Mの主な特徴とGPUサブボードの写真

280Mと260Mの主な仕様

280Mと260Mの主な仕様

GeForce GTX 260M

GeForce GTX 260M

 競合となる米AMDの「Mobility Radeon HD 4870」および、マルチGPU版「同4870 X2」に対して、GeForce GTX 280Mのシングル、SLI構成のいずれも、30%程度上回る性能を発揮するとしている。またGeForce GTX 260Mは競合のMobility Radeon HD 4850に対して、20%程度上回るという。

GeForce GTX 280M対Mobility Radeon HD 4870の性能比較

GeForce GTX 280M対Mobility Radeon HD 4870の性能比較

GeForce GTX 280M SLI構成対Mobility Radeon HD 4870 X2の性能比較

GeForce GTX 280M SLI構成対Mobility Radeon HD 4870 X2の性能比較

GeForce GTX 260M対Mobility Radeon HD 4850の性能比較

GeForce GTX 260M対Mobility Radeon HD 4850の性能比較

 一方のGeForce GTS 160Mは、モバイルユースも可能な12~14型級のディスプレーを備えるノートパソコンを対象にしたハイパフォーマンスGPUに位置づけられている。55nmプロセスで製造され、シェーダープロセッサー数は64基。コアクロックは600MHzでシェーダークロックは1500MHzと、GTXより高クロック動作となっている。メモリーバンド幅は256bit幅で、メモリークロックは800MHz。

GeForce GTS 160M

GeForce GTS 160M

 GeForce GTS 160Mは、NVIDIAが競合と位置づける「Mobility Radeon HD 4670」に対して、50%程度上回る性能を発揮するとしている。また消費電力当たりの性能では、GeForce 9700M GTから40%ほど向上している。

GeForce GTS 160M対Mobility Radeon HD 4670の性能比較

GeForce GTS 160M対Mobility Radeon HD 4670の性能比較

 GTX 2xxMシリーズは高性能ではある。ただし、前世代のGeForce 9800M GTX搭載ノートが軒並み20万円台後半~30万円台前半、やや下位のGeForce 9800M GTS搭載ノートが20万円台前半の高価な製品に限られたことを考えると、今回も少数のハイエンドノートのみの採用に止まる可能性は高い。


デスクトップはリネーム版のGTS 250のみ

 デスクトップ向けの新GPUは、「GeForce GTS 250」。こちらもGT200コアではなく、GeForce 9800 GTX+と同世代のコアを採用した、言わばリネーム版のGPUである。

GeForce GTS 250の主な仕様

GeForce GTS 250の主な仕様

 性能クラスではパフォーマンス級に位置付けられているが、「メモリー1GBのグラフィックスカードを149ドル(約1万4602円)で実現する」GPUとして、価格性能比をより重視している。コア数はGeForce 9800 GTX+と同じ128基。コアクロックは738MHzでシェーダークロックは1836MHzである。

GeForce GTS 250対Radeon HD 4850の性能比較

GeForce GTS 250対Radeon HD 4850の性能比較

 最新の3Dゲームでは、最高品質で遊ぶには1~2GBのビデオメモリーが必要というものも登場しているだけに、比較的安価で1GBメモリーのグラフィックスカードが手に入るのは、ゲームユーザーには嬉しいところだ。

 なおGeForce GTS 250を搭載する製品は、(株)アスクがメモリー1GBと512MBの2製品を発表している。価格はオープンプライスで、1GB版は予想実売価格が2万3800円前後、512MB版は1万9800円前後と想定されている。発売日は3月10日以降の予定

ZOTAC GeForce GTS250 1GM AMP! EDITION

アスクが発売する「ZOTAC GeForce GTS250 1GM AMP! EDITION」

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