フレックスオフィスを導入しても
その目的の半分は満たされず!?
営業部門など、昼間はデスクワークする人が少ない部門では、フレックスオフィス(フリーアドレス)を導入することで、オフィスの有効活用を図る企業も増えている。フリーアドレスには、固定資産(家賃)の負担を削減するだけでなく、場所を入れ替えることで社内のコミュニケーションを活性化し、新たなアイデア(ビジネスプラン)の創出を期待する経営者層は多いはず。
しかし、現実的には同じ部署や顔なじみ同士がいつも隣り合って、席もほとんど替わらない、フリーアドレスにした効果が感じられないというケースが少なくないという。コクヨが3月2日に発売した座席アシストシステム「OfficeDARTS(オフィスダーツ)」は、社員が管理画面にログインすると、ランダムに座席を割り当てることで、社内コミュニケーションを活性化したり新たな“出会い”“アイデア創出”の可能性を広げる、フリーアドレス向けの座席管理システムだ。ダーツの名前にも、毎日どこに当たるか分からない、という意味が重ねられている(ロゴにも表現されている)。
同様のソリューションとして、座席の利用状態をチェックするログ管理システムや、在席情況をリアルタイムに確認できるプレゼンスサーバーなどがあるが、OfficeDARTSとは目的が異なる。また、OfficeDARTSは単にランダムな座席配置を決めるだけではなく、例えばそのオフィスワーカーが「集中」して仕事に打ち込みたい場合には角地の静かに落ち着ける座席を、「議論」したい場合には関連する部署・部員を近くに集めた場所を、豊かな「発想」を望む日には普段顔を合わせていないメンバーを近くに集める、といった具合に行動様式に合わせて座席を管理・運用できる(行動様式のパターンはカスタマイズ可能)。
品川・霞ヶ関などのライブオフィスで見学可能
価格は1フロア約50人の利用を想定した、1サーバー利用時で176万4000円~(年間保守契約料含む)と、おいそれと気軽に導入できる値段ではないが、オフィスのレイアウトをCGで再現したり、利用者の所属部署(役割)などステータスを管理するデータベースの構築も初期費用に含まれている。またオプションで、「毎月1日は誕生日が近い人を集める」「10日は趣味が同じ人を集める」といった具合に共通の話題を持つ人同士を隣席に割り当てることで、社内コミュニケーションの活性化を図る機能を付与できるという。
とはいえ、こうしたシステムは、実際に運用しているオフィスを見てみないとその効果も把握できないだろう。コクヨでは霞ヶ関にライブオフィス、品川にエコライブオフィス(関連記事)といった見学可能な会場を用意しているほか、予約制だが大阪、名古屋のコクヨオフィスシステムでも導入済みで同システムを体験できるようになっている。社内コミュニケーションの活性化のために毎月懇親会を重ねるのもいいが、その費用をこうしたシステムの導入に当ててみてはいかがだろうか?
サーバー環境の対応OSはWindows Server 2003、SUSE Linux Enterprise Server 10、アプリケーションサーバーはWebSphere sMash V1.0以降。クライアント環境はWindows XP、Internet Explorer 6.0以降となっている(サーバー/クライアント本体は上記価格に含まず)。