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今だからこそ押さえておきたい

WiMAXで知っておきたい5つのポイント

2009年03月03日 13時00分更新

文● 塩田紳二

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WiMAXとWILLCOM COREの同じ点・違う点

 簡単に言うと、WiMAXは、無線LANによく似た通信方式を、広い範囲で利用できるようにしたものだ。実は、WiMAXが使う直交周波数変調方式は、次世代携帯電話の高速通信方式であるLTEや、UQコミュニケーションズと同時に免許を受けたウィルコムの次世代高速PHS「WILLCOM CORE」のXGP技術も採用している。この点では、同じなのだが、プロトコルやパラメータなどが違っているため、相互に通信ができるわけではない。

2009年の春端末の発表会で、ウィルコムはXGPのアンテナなども展示していた

 直交周波数変調方式は、同じ帯域であれば、他の方式と比較するとより高速な通信が可能になるため、今後の標準的な技術として定着しつつある。

 しかし、ネットワークに対する考え方がそれぞれで違っている。例えば、WiMAXは、主にPC関連企業によって推進されてきた関係で、インターネットに接続すれば、あとは自由という考え方を持っている。これに対して、LTEなどは、あくまでも既存の携帯電話のインフラの延長線上にあり、一旦携帯電話ネットワークへ接続、そこから必要に応じてインターネット側と接続するという構成となる。

 もちろん、最近の携帯電話のネットワークはIPを使うので、大きな差はないが、広域なネットワークを自ら提供し、その品質を保つのか、単にインターネット接続だけを提供するのかという点で大きな違いがある。また、LTEでは、携帯電話からの利用を想定しているため、消費電力が小さくなるように工夫されており、特に携帯電話から基地局へ向かう「上り」側には、直交周波数変調方式ではなく、より消費電力の少ない方式(SC-FDMA)を使っている。

 これに対してXGPは、既存のPHSのようなマイクロセル方式をとっている。最大の違いは、LTEやWiMAXでは、基地局がカバーするエリアをきちんと設計して配置しなければならないのに対して、XGPのマイクロセルは、基地局同士がお互いを認識して、セルを構成している点だ。

 WiMAXとXGPは、2009年内にもテストとはいえ、サービスがスタートするのが、LTEのほうは2010年ぐらいから導入が開始されると言われている。ただし、WiMAXは、これから基地局などを設置し、ネットワークを構築する必要がある。UQコミュニケーションズは、既存のauの基地局を活用とはいうものの、設備自体を共有するわけではないので、実際のネットワーク構築はこれから拡充する必要がある。

 これに対してLTEは、既存の携帯電話のネットワークがあり、基地局だけを変更していくことになる。機器にもよるが、既存の基地局などのソフトウェアを変更したり、ボードを追加することで対応可能な場合もあるという。

 となると実際の競争は、WiMAX側の基地局がそろう2010年ぐらいから本格化すると思われる。

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