SaaSでは、こんなサービスも提供されている
では、現在SaaSの形で提供されているサービスにはどのようなものがあるのだろうか。
主流となっているのは、メールシステム、スケジュール管理、ウィルスチェック、ECサイト構築、財務管理、給与計算など、様々な業種で利用できるビジネス支援ソフトやグループウェアだ。これらの中から自社の業務に必要なソフトだけを組み合わせることによって、新規で開発するよりもはるかに安く利用することが可能になっている。
また、CRM（顧客管理システム）やSFA（営業支援システム）、ERP（統合情報システム）といった、従来はかなりの工数をかけてカスタマイズを行なうのが常識であった、特定の業務に特化したソフトも、徐々にSaaS化されるようになってきた。これはSaaSソフトウェアの進化により柔軟なカスタマイズが可能になってきたためである。
もちろん本当に自社独自のソリューションが必要な場合や、勘定系など絶対的な安定稼動が要求されるシステムでは、従来通りシステム会社による個別の開発が必要になる。ただ、現在はかなりの部分がSaaS化できるようになっており、その領域がこれからも広がり続けるであろうことは確実だ。
次回からは、現在サービスが提供されている様々なSaaS型サービスの内容や特徴を、ベンダーの取材を元に紹介していく。
