「3秒ルール」と「ゾウとアリの法則」
企画書は「問い」に対する明確な「答え」を求められるので、ほんのわずかな時間で判定できるものでなくてはいけない。
イメージがあり、コンセプトが明確な「1枚企画書」はわずか3秒程度でも判定してもらえる。それを明確にするのが、見てもらいたい部分とそうではない部分にメリハリをつける「ゾウとアリの法則」である。
※「1枚企画書」の構造を「ゾウ」と「アリ」を使ってわかりやすく説明した方法論は著者のオリジナルですので、出典の記載なく書籍ならびにWebサイト上等で使用することはご遠慮ください。
- 企画書の判定はわずか3秒程度
- 「大きく見せて」から「じっくり読ませる」
- すべてを総括する「要約」も“ゾウ”
1. 「3秒ルール」で「見せる」
企画書というと「じっくり読んで検討するもの」と思われるかもしれませんが、「問い(かけ)」に対するストレートな「答え」ですから、企画を依頼した人の視点はダイレクトな「答え」に集中します。
答えの正否の判定は、時間にしてわずか3秒程度です。これを企画書の「3秒ルール」といいますが、「1枚企画書」はそれを可能にするものです。そうした「1枚企画書」に求められる条件は以下のとおりです。
- 形を見ただけでロジックがわかる……デザイン
- 結論が先に目に飛び込んでくる……コンセプト
企画というと、相手を説得するものだと思われるかもしれませんがそれは口頭での説明です。企画書では、説明調の表現は極力省いて、要点をコンパクトにまとめて「見せる」のが秘訣です。
2. 「ゾウとアリの法則」の2段構え
「3秒ルール」にしたがった企画書を作成するには、2つのことを明確に分けて考え、そのように見せます。2つとは以下のとおりです。
- ゾウ……大きく見せる
- アリ……じっくり読ませる
つまり、3秒内で把握してほしい部分を「大きく見せる」、しかるのちにその他の部分を「じっくり読ませる」のです。後者の「じっくり読ませる」部分は主要な部分の解説や補足説明なので、別に3秒内でなくても構いません。
見せるゾウの部分の第一は「これだ」というコンセプトです。「問い」に対するストレートな「答え」です。それに続くものが「何についての」「何が」という大きな骨組みの2点です(右図を参照)。
もしその企画書に「まとめると」にあたるO(展望・要約)があればこれもゾウに属します。図ではコンセプトの上位に位置していますが、コンセプトあっての「ゾウ(総)括」です。
(次ページ、「『1枚企画書』のゾウ山&アリ塚」に続く)
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