DLNA 1.5をサポート
Windows 7はDLNA 1.5のサーバー/クライアントの機能をサポートしている。Vistaでは、DLNA互換のWindows Media Connectが使用されていたが、DLNAサーバーとしての互換性は十分ではなかった。そのため、DLNAクライアントと接続してコンテンツを再生する時に、早送りや巻き戻しがうまくできなかったりする場合もあった。
Windows 7がDLNA 1.5をサポートしたことで、このような互換性による問題もなくなると期待される。機能面でも充実するので、サードパーティのDLNAサーバーソフトをパソコンにインストールする必要も減るだろう。
なお、Windows 7のDLNAサーバー機能は、OSのサービスとして提供されている。そのため、VistaのWindows Media Connectのように、DLNAクライアントからの要求に応じてコンテンツを再生する機能以外にも、Windows 7側からDLNAクライアントにコンテンツをプッシュ送信する機能がある。
まずエクスプローラー上で、DLNAクライアントに送信したいコンテンツを選択して、コンテキストメニュー(右クリックメニュー)の「PlayTo」(日本語メニューでは再生)にカーソルを合わせると、アクセスできるDLNAクライアントのリストが表示される。ここで送信先のDLNAクライアントを選択すれば、自動的にDLNAクライアントにコンテンツが表示される。これを使うと、パソコンとは別の部屋にあるDLNA対応テレビに、映像を送り込むといった使い方ができる。
メディア変換機能で事前変換が不要に
Windows 7のDLNAサーバー機能には、メディア変換機能が搭載されている。映像や音楽をパソコン側で送信時に変換して、DLNAクライアントが再生可能な形式で送信できる。
またこのメディア変換機能は、ポータブルプレーヤーなどに映像や音楽を転送する時にも使用される。標準で対応するのは、MPEG-4や3GPP、3GPP2程度だが、転送時に自動変換するので、あらかじめコンテンツを変換しておく必要はない。
Windows 7のメディア変換機能では、「Media Foundation Technology」(MFT)と呼ぶ機能が使われている。このMFTでは、対応モジュールを導入することで、トランスコード用ハードウェアを使った変換が可能になり、トランスコードにかかる時間が短縮できる。
対応ソフト・ハードが増えれば、自動でメディア変換できるフォーマットも増える。また将来的には、GPU演算を利用して、CPUとGPU以外にハードウェアを用意しなくても、高速なハードウェアトランスコードができるようになるかもしれない。
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