WiMAXが遍在化する未来
WiMAXは2010年頃までは、Mobile WiMAXと呼ばれる移動体通信系のインフラとして、それ以降は固定系も含めたインフラ展開が進んでいくものと見られている。移動体通信のインフラの場合も、手の平にのるデバイス以外に、自動車やデジタル家電などの、これまであまりネットに接続されてこなかったデバイスにも積極的に搭載されるとどうなるだろう。
片岡氏は、コンピューティングに、ネットとローカルの境目がなくなる、と指摘する。
「ウェブの世界がこれだけ広がっているのです。ネット側、ローカル側を意識しないで使える姿が自然ではないでしょうか。お客さまはあくまでサービスを使っているのであって、ネットに繋がる、繋がらない、といった概念をなくしていくのもミッションです」(片岡氏)
ノートPCやゲーム端末を開けば、常にネットに繋がっている状態。現在のSaaSなどのウェブアプリがより発展し、便利に活用することができる局面においては、必須のインフラとして期待が集まる。
一方、少なくとも5Mbpsをコンスタントに出したい、とインフラ普及が進んでいくと、これもまた新しい世界だ。どこにいても上下5Mbpsのアクセスが可能な環境で「何をするか?」というよりは、「何をしたいか?」をユーザーが考える必要がある。
筆者紹介──松村太郎
ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET。
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