このページの本文へ

松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第62回

いつでも10Mbps超!高速WiMAX始まる

2009年02月28日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PC以外のデバイスとMVNOの展開

 ケータイは依然として電話機と、一部の例外のノートPCが端末としてラインアップに並ぶが、WiMAXの未来は少し違ったモノになりそうだ。電話サービスこそやらないが、3Gにもあるような通信モジュール型、そしてより広範なメーカーのPCへの組み込み、そしてもう1つが非ケータイ、非PC型のデバイスへの組み込みである。

サービスエリア

現在のサービスエリア。今後は2009年夏に首都圏、中部関西エリア。2009年度末には政令指定都市や全国主要都市でのサービス開始を目標としている

 「MID(Mobile Internet Device)のような端末や、ポータブル型のゲーム機でもいいのですが、PCの代わりではなく、全く違う使い方、ある特定の使い方に特化したデバイスがネットを活用する際にWiMAXを組み込んでいく、といった使い方はあると思います」(片岡氏)

 例えばニンテンドーDSiはWi-Fi経由でインターネットに繋がり、遠隔地間やその場でアドホックに対戦したり、「うごくメモ帳」のようにDSiとはてなとを連携させたコミュニケーションサービスは、全く新しいデバイスから利用するワイヤレスネットワークの姿を表す好例と言える。

 DSiのおかげで、お絵かきができる4歳児がネットを利用し始めたという話を聞くと、ケータイやスマートフォン、PC以外のネットデバイスの可能性を再認識させてくれる。

 しかしこれらのアプリケーションサービスや新しいデバイスについて、「発掘の支援などは惜しまないが、全てをUQでやらなくてもいいと思う」(片岡氏)というのが、UQコミュニケーションズの基本的な姿勢だ。

 「まず始めにUQブランドが付いた端末と接続サービスを提供しますが、夏以降はUQブランドではないデータカード端末やノートPCも出てくるでしょう。Wi-Fiカードのように手軽に購入していただき、すぐに契約して設定して接続できるサービスを実現していきます。もちろん接続サービスも、MVNOとして回線を他社に提供することが前提で免許を頂いていますので、自由にビジネスモデルを描いて頂いて、回線を使って頂ければと思っています」(片岡氏)

 UQコミュニケーションズの回線の卸値は、1IDあたり月額3300円程度としている。UQ WiMAXは月額4480円の定額だが、ビジネスモデルによってはさらに低価格で提供するサービス事業者が登場することもあり得る。

 また、アプリケーションとセットにしたインフラ提供によって、サービスやビジネスを組み立てていくといったアプローチも可能だ。同じMVNOといっても、ケータイよりも自由度の高い、独自性のあるサービスを発想することができるのがWiMAXの世界。

 「オープンなことがネットの魅力」と片岡氏はMVNOによる多彩なサービスにも期待を寄せている。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン