ゴムとは違うのですぞ
HHKBには現在、上位モデルとなるProfessional系と、スタンダードモデルとなるLite2系の2つのラインナップがある。
これら2つのラインナップの最大の違いは、Professional系がキースイッチに静電容量無接点方式を採用しているのに対し、Lite2系がメンブレンスイッチを採用している点だ。
静電容量無接点方式は、電荷の容量変化を捉えてキー入力とする方式で、機械接点がないため静音であると同時に、キータッチがよく、疲れないという特徴がある。また耐久性に優れており、HHKBでは3000万回以上の打鍵に対する耐久性を持っている。
一方、メンブレンスイッチはスイッチ機構がゴムキャップ(ラバーキャップ、クリックラバーともいう)で構成されており、キーを押し下げることによってゴムが押されスイッチが接触する構造だ。ゴムを使うためキータッチが優れず、耐久性も低い。こうしたことから、安価なキーボードが多く採用している。
とはいえ、Professional系と比べるのは酷というものだろうが、HHKBを名乗るLite2はメンブレンスイッチでありながらも高いキータッチ感が得られよう設計されている。
日本語入力用に、キー数を追加
今回登場したProfessional JPは、その名の通りProfessional系のラインナップで、キースイッチに静電容量無接点方式を採用している。大きさも、249(W)×110(D)×39.9(H)mmでProfessional2とまったく同じ大きさだ。
インターフェイスもUSBと変わらない。対応機種はPCのほか、ドライバをインストールすることでMacintoshで使える点も同様だ。カラーは墨(黒ではない)と白の2種類が用意されている。
では、両者の違いは何か。それはキーの数の違いにある。Professional2が60キーなのに対し、Professional JPは69キーと9つキーが増えた。増えたキーとしては、変換キーと無変換キー、全角/半角キー、カナキーがまず挙げられる。日本語をより快適に入力できるように改良されたのがProfessional JPの“JP”たるゆえんというわけだ。これまではツールを使って左右◇キーを変換キー、無変換キーに割り当てて使っていたユーザーも多いと思うが、こうしたトリッキーなことはしなくて済むようになった。
増えたキーで次に触れておかなければならないのは、カーソルキーだろう。これまでカーソルキーが付いていたのはLite2のみで、カーソルキーのために仕方なくLite2を使っていたユーザーも多いのではないだろうか(担当もその1人だ)。キーの大きさもLite2のように小さなものではなく、通常のキーと同じものが採用されている。このほか、左のFnキー、/キーの右側に キーが配置された。
ただし、カーソルキーが配置されたため、右Shiftキーの大きさは通常のキーの大きさまで小さくなってしまった。これと合わせて、上矢印キーが右Shiftキーの左隣に、さらにその左に キーが配置されたため、慣れないと右Shiftキーを押すつもりでこれらのキーを押してしまうことがある(写真3)。カーソルキーは無理矢理配置したという感じがしなくもない。担当もしばらく混乱してしまった。Shiftとどうしても間違えて困るという人のためには、上矢印キーをShiftキーに割り当てるためのディップスイッチが用意されているので、慣れないようであれば設定するとよいだろう。
一方、WindowsでWindowsキー、MacintoshではCommandキーとして利用できた左右◇キーのうち、右◇キーは削除されている(Fn+下矢印で入力可)。とはいえ、変換キーと無変換キーが追加されているので困ることはないだろう。
キーの配列としては、Lite2の日本語配列モデルのキー配列がProfessional系で実現されていると考えればわかりやすい(ただし、左◇キーはLite2にはない)。