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NetbookにないVAIO type Gの価値はなにか?

2009年02月24日 13時00分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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バッテリー駆動時間は長いが、やや物足りない

 type Gの売りのひとつが、バッテリー駆動時間の長さ。試用した店頭販売モデルの場合、付属の「バッテリーパック(L)」で最大約12時間のバッテリー駆動時間を誇っている。

バッテリーパックはヒンジの間に装着

バッテリーパックはヒンジの間に装着される

 また、独自の省電力技術に加えて本体に照度センサーを内蔵。周囲の照明に合わせて、液晶ディスプレーのバックライト輝度を自動調整する機能も備えている。

 しかし、カタログ上のバッテリー駆動時間はあくまで目安。試用機材で実際にバッテリー駆動時間の計測を行なった。測定にはバッテリー駆動時間テストソフト「BBench」を使用。内蔵無線LAN経由でインターネットに接続し、バッテリーが切れるまでウェブ巡回を行なわせた。パソコン側の省電力設定はデフォルト設定で、ディスプレー消灯やスリープ状態への移行のみをオフにした。

 テスト中の動作状態を見ていると、編集部の明るい照明の下でも、液晶ディスプレーの輝度は最大からやや下がった程度。一般的なオフィスの照明下では、バックライトが大幅に暗くなったりはしないようだ。実際の駆動時間は約5時間25分。カタログ値の半分を下回った。丸一日、ACアダプターのない環境で使うには、やや物足りない。それでも、こちらのNetbookよりは、長時間動作するのは間違いなさそうだ。

type G付属のACアダプター

type G付属のACアダプター。片手に収まるコンパクトサイズで、鞄の中に常時入れておいてもあまり邪魔にならない


Centrino 2ベースの性能はNetbookを凌駕

 今回試用したtype Gは、プラットフォームがCentrino 2ベースに一新されている。CPUのクロック周波数こそ、1.20GHzとNetbookで採用事例の多いAtom N270(1.60GHz)よりも低いが、ハイパースレッディングによる疑似デュアルコアのAtomとは違い、こちらは本物のデュアルコアCPUだ。キャッシュメモリーの量も、Atom N270の512KBに対して3MBと多い。

 高性能とは言い難いが、チップセットのIntel GS45 Express内蔵GPUも、Netbookの多くが搭載するIntel 945GSE Expressより世代が新しい分だけ高速だ。下はWindows VistaのExperienceインデックスの値。それほど速いものではないが、Atom Z530(1.60GHz)とIntel US15Wチップセットを搭載するNetbook「Inspiron Mini 12」のExperienceインデックスと比べると、いずれもやや上回り、「プロセッサ」の値はかなり差が付いている。

Vista Experienceインデックス
テスト項目 VGN-G3KANB Inspiron Mini 12
プロセッサ 4.4 2.9
メモリ 4.7 4.3
グラフィックス 3.2 2.9
ゲーム用グラフィックス 3.3 3.0
HDD 4.6 4.3

 PCの総合性能を測る「PCMark05」の値も、Mini 12をいずれも大きく上回っている。

PCMark05
テスト項目 VGN-G3KANB Inspiron Mini 12
PCMark 2105 1014
CPU 2005 1403
Memory 2192 2205
Graphics 1032 243
HDD 3719 2703

 ベンチマーク以上に重要なのは、type GならWindows Vista Businessを動かしても快適だという点だろう。編集部で一番多くのNetbookに触れている記者にtype Gを触ってもらったが、NetbookでVistaを使ったときのような重さは、type Gでは感じないと感心していた。ビジネス環境ではまだまだWindows XPが主流であろうし、Windows XPならばNetbookでもそれなりに快適に動作する。しかしtype GならVistaだけでなく、その次に控えるOS「Windows 7」でも、快適に使えると期待できる。これはOSの移行期には嬉しいメリットだろう。

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