最新モデルのメッシュチェアから
終戦直後の初期製品へタイムトリップ!
いすの展示では、同社が初めて製造した椅子から現代に至るまで、椅子の歴史を順に追って支持されるカラーリングや人間工学設計などオフィスデザインの変化を知ることができる。ここでは最新モデルから逆に、時代をさかのぼって椅子のデザインの変遷を見ていこう。
21世紀の最新モデル
現行製品でもある「Contessa(コンテッサ)」(2003年)。ジウジアーロデザインの機能美に加えて、さまざまな角度・位置の可変機構など、オフィスチェアとしては最高クラスの1台と言えるだろう
最新モデルの「feego mesh(フィーゴ・メッシュ)」(2008年)。コンテッサほどにはデザインが主張しないfeegoのラインナップの中でも、アルミフレームとメッシュで維持された形状など、細かく変更が施されている
PCでの仕事が主流になる1990年代後半には
椅子のデザインも変わる
オフィスでのPC導入が進むとともに作業姿勢も変化し、それに合わせて事務用椅子の設計も見直されている。「27型シリーズ」(手前)は、人間工学設計を本格的に取り入れた1台。27型では金属部が多いのに対し、写真奥の「28型シリーズ」ではさらにエンジニアリングプラスチックを肘掛や脚部に取り入れ、ウレタンと表面の布を同時成型するという手法に変わっている
人間工学設計にさらに磨きがかかった「スプレージ」(1997年)。背もたれの形状が変化して、ランパーサポート(腰部の張り出し)を意識するようになってきている。また、この時期に前後して素材にメッシュが取り入れられてくる
かすかな記憶の中で見覚えのある形
そして最初期型へ
日本人向けの体型に合わせた事務用椅子として、幅広く使われた「2218型」(1958年)。小学校時代に教職員用の椅子としてこれを見た記憶がある
デザインの変遷も面白い。米ASE社と提携した「2561型」(1966年)は、当時流行だったキューブ状デザインを取り入れたのが特徴だ
初期に作られた製品群。「鋼製事務用いす××型」という名称で、最初期のもの(写真右端)は主に駐留米軍に供された
(次ページ、「姿勢の善し悪しを科学的に検証」に続く)