動画をスナップ感覚で撮る、それが2009年流
基本スペックに関しては、CCDが1/2.33型の有効900万画素から同サイズの有効1010万画素に若干増えている(マルチアスペクト対応)。厚さ32.8mmとジャケットのポケットに気軽に入れられるサイズでありながら、広角25mm~望遠300mm相当までの広い撮影領域を持つ点が最大の特徴だ。
ズーム倍率は10倍から12倍に増えている。従来機(TZ5)は、28~280mm相当の画角だったので、広角はさらにワイドに、望遠はさらにアップに撮れてしまうわけだ。しかも厚さは3.7mmも薄型化しており、重量も8gとわずかながら減少。携帯性はさらに高まった。
今回のモデルのもうひとつのウリが「AVCHD Lite」規格をいち早く導入したこと。AVCHDは、最近のハイビジョンビデオカメラでも採用されている規格だが、AVCHD Liteはそのうち720pの撮影だけに絞ったサブセットという位置付けである。フルハイビジョン(1080i/p)での撮影はできないが、容量が軽く、DIGAを始めとしたBlu-ray Discレコーダーでの再生・編集・BD化できてしまう。
AVCHD Lite撮影時のビットレートは3種類あり、最も高画質なSHモード(17Mbps)なら8GBのメディアに約1時間。もっとも長時間撮れるLモード(9Mbps)であれば、さらに倍近い記録が可能だ。4GB程度のSDカードであれば最近では数千円で手に入ってしまうので、複数枚持ち歩いて数十秒、長くても数分のシーンをスナップ的に押さえるという使い方がオススメ。
「動画を撮るならビデオのほうがいいんじゃないの?」という意見はもちろんあると思うが、気軽さでは圧倒的にデジカメに分があると思う。
ビデオカメラはどうしてもシステムが大げさになってしまう。また、旅行などで撮るのにあまり集中しすぎてしまうと、観光しにいったのか、それともビデオを回しに行ったのか分からなくなってしまうこともしばしばだ。長時間がっつり撮るというのは結婚式や子供の運動会など、大きなイベントのために取っておくとして、街歩きやちょっとした旅行にはコンパクトデジカメでショートムービーを撮るのが気軽でいい。
デジカメなら、レストランで出してもそんなに違和感がないし、DMC-TZ7はビデオ並みの超望遠に加え、マクロや広角にも強いという利点がある。旅先やスナップ感覚の動画撮影にはまさにうってつけだ。狭い場所で知人みんなで動画を撮影したり、道端で見つけた昆虫なんかを撮るといった使い方も楽しい。もちろん動画撮影中のズーミングも可能だし、本体にはステレオマイクも内蔵されている。