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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第60回

「au CA001」が生む、音楽の相互作用

2009年02月14日 15時42分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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マッシュアップ、シェアとイベント化とインタラクション

 コンテンツを作る、シェアする、リアルタイムに演奏を楽しむ。目の前にいる人たちと共有するのか、遠隔地間で同時に楽しむのか、チョイスはいろいろある。どのようなシーンにおいても、端末に通信機能が備わるケータイにとってフィットするのではないか。

 音楽とコミュニケーション、楽器とUGC(ユーザー生成コンテンツ)については、様々な場所で試されている。

 遠隔地間、非同期の時間で演奏をシェアする方法として、YouTubeが、オンラインビデオを使ったオーディションを実施する取り組み「YouTube Symphony Orchestra」が進行中で、4月15日にニューヨーク・カーネギーホールで行われるイベントに向けて動いている。

 また日本のカラオケの大手、第一興商は、自分の歌声をネットを通じて公開できるサービス『DAM★とも』をスタートしている。これもまた、ユーザー参加型のイベントやプロモーションへと結びつけている点が特徴だ。

 音源や楽器アプリに携わったヤマハも音楽を楽しむ未来像を見せてくれている。2008年のCEATECにおいて、ワイヤレスで非圧縮、遅延なしに再生が可能な技術AirWired対応製品のデモとして、ケータイ型の楽器を披露していた。

【実際の演奏シーン】
CEATEC JAPAN 2008のYAMAHAの展示。AirWiredを応用した楽器端末のデモ

 この楽器は加速度センサーで端末の動きによって音を鳴らすことができる仕組みで、これまで音楽をただ聴くだけの楽しみ方だったユーザーに、何か合わせて演奏するなどしてアクティブに音楽を楽しむ方法を垣間見せてくれている。

 音楽という身近になったテーマが、様々なテクノロジーやコンテンツ、サービス上での新しいインタラクションの試行を実現しているのではないだろうか。ケータイなどのテクノロジーは、まだまだ楽器から学ぶことは多いし、その上で新しい音楽の楽しみ方やインタラクションをフィードバックしてあげる必要があると思う。

筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET


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