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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第60回

「au CA001」が生む、音楽の相互作用

2009年02月14日 15時42分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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ミッシングピースは何か?

 CA001はチャレンジングな端末と言えるが、インターフェースの作り込みが甘いと言わざるを得ない。au初のタッチパネル端末として登場してきたものの、触れたときの瞬間的な心地良さはiPhoneやSoftBank 931SHのタッチパネルにかなわない。しかし、CA001は十分に新しい楽器としてケータイの可能性を見せてくれていると僕は思う。

 CA001なら自分1人でケータイを持っているだけで音楽が楽しめる。もしかしたらアーティストが作曲するときに、ジョギングしていてふと思いついたメロディーを音にしてみる、なんて瞬間があるかもしれない。また楽器になるケータイが身近にあれば、素人だってそういうことができる瞬間に遭遇できそうだ。

セッションには、演奏を録音し、再生しながら別の音や楽器を演奏することで重ねて録音していくことが出来る。録音したセッションは、着メロに設定することが可能

 それでは、新しいインタラクションにまで到達したか? と言われると、やはりまだまだ十分ではない。CA001ユーザーが一挙に増えれば、みんなで大合奏する事も可能かもしれないが、飽和状態の市場でかつ、2年縛りなどから簡単に機種変更できないという点で、この端末が拡がるとは考えにくい。

 しかし、この音源チップは、他の端末にも採用されている点が注目だ。だとしたら、CA001を含むタッチパネル端末に限らない、楽器が演奏できるアプリをauが配布して楽しめるようにしてくれたらよいのに、と思ってしまった。

 対応する端末を増やした上で、Bluetoothなどの近接通信を使って、曲のデータをやりとりしたり、楽譜を共有したり、合奏をするときのテンポを取ったりする、楽器演奏のインタラクションを円滑に行える機能に踏み込んでくれないだろうか。

 ケータイで楽器や合奏が持つインタラクションを取り入れてから、それをコンテクストにしたコミュニケーションへと展開していく可能性があるのではないかと思う。

【実際の演奏シーン】
au Spring Collection 2009会場での、YMO(YAMAHA Mobile Orchestra)によるCA001のデモ演奏

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