2年ほど前の2007年6月、デルの個人向けハイエンドパソコンブランド「XPS」の新製品として発表された「XPS M1330」は、デル製品らしからぬシャープでスタイリッシュなデザインと、メインマシンになりうる高性能によって、たちまち人気商品となった。
そのXPS M1330のコンセプトを受け継いで登場したのが、この「Studio XPS 13」である。スタイリッシュさとパワーを兼ね備えたこのノートの魅力を見ていこう。
くさび形ボディーを継承 重さは2kg超に
まずは外観から見てみよう。XPS M1330は、ディスプレー部を閉じたときの側面形がくさび形になるようデザインされていて、スマートさを演出していた。Studio XPS 13も同様で、手前が細いくさび形のボディーを持つ。
冒頭の写真にもあるように、ヒンジ部分からディスプレー部天板にかけてアルミニウムのパネルが使われている。本体側も側面のエッジにアルミパネルをあしらっていて、ヒンジ~天板のアルミパネルとあわせて、黒いボディーのアクセントとなって精悍な印象を演出している。
天板のヒンジ側は本革の装飾があり、見た目だけでなく手に持つときの滑り止めも兼ねている。なおXPS M1330では、発表当時は3色、現時点では2色のカラーバリエーションがあった。一方、Studio XPS 13はブラック1色のみである。今後のカラーバリエーション展開を期待したいところだ。
サイズはXPS M1330とほぼ変わりないが、重さは約2.2kgと、約1.8kgからだいぶ重くなった。手に持った感触では、「持ち運びたくない……というほどではないな」と思うのだが、1kg前後のNetbookが全盛のご時世に、これをモバイルと呼ぶのはためらわれる。それでも、3kgを超える大重量のノートよりはマシなので、パフォーマンスとのトレードオフといったところだろうか。
Hybrid SLIでパワーとバッテリー性能の両立を
XPS M1330は独立GPUを内蔵して、モバイルノートとしては高いグラフィックス性能を誇った。Studio XPS 13ではそれをさらに強化。日本市場向けのモバイルノートではおそらく初となる、チップセット内蔵GPUと独立GPUの両方を使った「Hybrid SLI」に対応することで、高いグラフィックス性能を獲得している。
Studio XPS 13は注文時に、チップセット内蔵GPU(GeForce 9400M G)のみか、Hybrid SLI構成(GeForce 9500M)のいずれかを選択できる。後者の構成では、ACアダプターを接続している状態やグラフィックス性能が必要な際にはチップセット内蔵GPUと独立GPUの両方を使い、バッテリー駆動時間を重視したい際には内蔵GPUだけを使うといった使い分けが可能になる。
GPUのスペックを表示するオンラインソフト「GPU-Z」でGPUを見てみると、独立GPU側はコード名「G98M」、チップセット内蔵GPU側は「C79MX」と表示される。シェーダーユニット数はどちらも16基で、2つ合わせて32基。コアクロックやシェーダークロックは独立GPU側の方が高速で、ビデオメモリーも独立GPU側はGDDR3を256MB搭載するなど、性能面ではやや上回っている。
独立GPUのオン/オフは、ユーザーは普段意識する必要がない。独立GPUの切替タイミングはWindowsの電源管理設定でコントロールされていて、「AC電源駆動か、バッテリー駆動か」で切り替わる。逆に言えば、任意に切り替えるにはWindowsの電源管理設定を変えるしかない。
例えば、「普段はバッテリー駆動時に独立GPUをオフ」にしている場合、「バッテリー駆動だけど、今だけは最大性能がほしい」と思っても、いちいちWindowsの電源オプションから詳細設定を変えることになる。せっかくWindowsを起動したまま独立GPUのオン/オフを切り替えられるのだから、通知領域のアプレットから任意に切り替えるような機能がほしかった。