日本人は最近だらしねぇ、もっとがんばれ!
――トレーニングの時間はどれくらい取られるんですか?
ビリー 現役でビデオに出ていたときは毎日4時間していたけど、今では2時間になった。会社に勤めていることもあって、朝5時にはジムに行って、7時半くらいまでトレーニングしているよ。
もちろん朝5時じゃまだ外も暗いし、ジムに行っても誰もいない。そういった環境で、自分がそれだけ努力をしている、頑張っているという感覚がモチベーションにつながっていると思う。
鍛え方についてはトレーナーと一緒に、ただゴツゴツとした肉体ではなく「美しくバランスのとれた、流れのある体」をつねに意識してきたんだ。
――宮本武蔵「五輪書」を読まれたと伺いました(Amazon.co.jp、iTunes Store)。
ビリー この本には今のアメリカが必要としている精神がある。宮本武蔵という人は、本当に完璧に近い、完成された人間だ。というのは、もちろんサムライという面もあるけど、詩を書くなど芸術的な顔もある、多面的な人間だ。
ぼく自身が少年時代は武道だけに専念していたけど、21歳のころにこの本に出会ってから、ほかの分野にも積極的に手をつけるようになった。ぼくの逆になるかも知れないけど、ただコンピューターに向き合っているだけじゃなく、ジムに行くとか、新しいことを始めてみるのは、やっぱりとてもいいことだと思うね。
――現在、日本で滞在しているホテルのトレーニングルームにご不満だったようですが。
ビリー あれはトレーニングルームではなくヘルスクラブだよね? 仕方ないけど。ぼくが行ったとき、受付に細くて小柄な従業員がいたから、冗談で「トレーナーになってくれる?」と言ったんだ。
――携帯電話はBlackBerryを使っていらっしゃいますが、そのほかにお使いのガジェットはありますか?
ビリー 仕事でパソコンとBlackBerryを使っているけど、基本的には建築も体が資本の仕事だからね。テクノロジーを使うために使うんじゃなくて、必要だから、便利になるから使うんだ。その意味でiPhoneは使いづらいよね。アップルには嫌われちゃうかもしれないけど。あ、ここはまずかったらカットしておいて!(一同笑)
――オバマ政権についてはどうお考えですか?
ビリー アメリカはすでにバランスを崩しつつあったし、国民も「これではいけない」という考えにたどりついていたところだった。その考えを行動に起こすための、いいきっかけになったんじゃないかと思うな。
――実際に日本に来て、日本人を見て「だらしねぇな」と思うことはありましたか?
ビリー そうだね。だらしねぇな! お前ら、もっとしっかりしろ!
――経済危機で皆が不安に陥ってしまい、先行不透明でどうしたらいいのか分からない「だらしねぇ」状態がつづいてしまっています。現状を打ち破るため、兄貴として強いメッセージをいただければ。
ビリー 言い訳すんな! とにかくやってみろ、がんばれ。