プロファイラーは直感的で分かりやすい
もうひとつのカスタマイズ方法は、「ロジクール Gシリーズキープロファイラ」(以下プロファイラー)と呼ぶ付属の専用カスタマイズソフトを利用する方法だ。
これはG15ゲーミングキーボードにも付属するソフトで、Version 3以降はG13もサポート対象になった。G15とG13を併用しているユーザーは、画面の上部にあるカスタマイズ対象ハードを最初に選択する必要がある。
プロファイラーのGUIはできがよく、直観的で分かりやすい。さすがはロジクールクオリティーといったところか。カスタマイズしたいボタンを画面上で選ぶとメニューが開き、以下のようなキー操作やマクロ割り当てができる。
- キー操作(キーストローク)
- メインキーボードのひとつをG13のキーに割り当てる。
- マクロ
- 複数のキー操作を時間順で記録した、「人間の打鍵を再現する」マクロを割り当てる。
- 機能
- Windows Media Playerの再生操作などを割り当てる。
- ショートカット
- 特定のアプリケーションを起動させる。
- テキストブロック
- チャット時によく使うメッセージを割り当て、1キーで入力する。
- スクリプト
- スクリプト言語「Lua」で書かれたスクリプトプログラムを割り当てる。対応する特定のゲーム、ベンチマークプログラム、業務用アプリケーションなどをスクリプトでリモート制御できる。
ちなみに、クイックマクロでカスタマイズすると、どのキーも「クイックマクロ」に割り当てられたプロファイルになってしまい、あとからプロファイラーで見ても、どのキーに何を割り当てたか分かりにくくなってしまう。この仕様には改善を求めたい。現状では、プロファイラーでカスタマイズした方が汎用性は高い。
カスタマイズは3ページ切り替え可能
フルキーの上側にある[M1][M2][M3]ボタンは、「マクロキー」と命名されており、25キー分のカスタマイズ設定を記録した「ページ」を切り換えるのに使う。[M1]キーを押すと「ページ1」のカスタマイズが選択され、[M2]では「ページ2」といった具合になる。つまり、1プロファイルあたり25×3ページ分の75キーをカスタマイズできる。
たいていのゲームは1ページで足りるだろうが、RTS(リアルタイムストラテジー)ゲームで「内政と戦闘で切替」とか、MMORPGで「ソロプレイとパーティープレイで切替」といった具合に、局面に応じてカスタマイズ設定を手早く切り替えるといった活用が考えられる。
G13はフラッシュメモリーを内蔵していて、作成したプロファイルを最大5つまで、本体側に記録できる。例えばLANパーティーやゲームトーナメント時に愛用のG13を持って行けば、対象のパソコンにプロファイルがなくても、愛用のプロファイルでプレイできるというわけだ。自分だけのスーパーコマンドを設定したプロファイルを、他人に見せないですむというコアゲーマー向けの利点もある。
プロファイルの管理関係で気になった点がひとつある。プロファイルを新規作成したときには、ゲーム実行ファイルの関連付けを強制されることだ。基本的にはゲームがインストールされたフォルダーを開いて、ゲームの実行ファイル(EXEファイル)を選択すればいいのだが、PC初心者だとなんのことか分からないだろう。
一応、「GamePanelディスプレイを使用して選択する」という代替案が用意されていて、希望するゲームを起動後にG13側でボタンを押せば、自動的に実行ファイル名がプロファイルに対応づけられるのだが、これもまた便利なようで不便だ。
例えば、人気FPSの「CRYSIS」と「CRYSIS WARHEAD」のような続編関係にあるゲームのように、ひとつのプロファイルで異なるゲームをプレイしたい場合もあるはずだ。しかしG13の仕組みでは、同じプロファイルを2つ用意しなければならない。
そのような場合には、「固定プロファイル」と呼ぶ仕組みを使う回避策があるにはある。しかし、今後も様々なゲームの続編が出てくることを考えると、あまり建設的ではない。せっかく「親切に」と考えた機能が、ユーザーには逆に「ありがた迷惑」となっているケースだろう。実行ファイルの関連付けを使わなくても、自由にプロファイルを作成/割り当てる仕組みがほしい。
