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第12回メディア芸術祭で専門家4人が見つけた「私のベストチョイス」

ケータイで魚を釣り、ペンギンを吹っ飛ばす芸術祭

2009年02月09日 18時51分更新

文● 千葉英寿

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魚が釣れて、ペンギンが吹っ飛ぶエンターテインメント部門

 もっとも多彩な作品が登場するエンターテインメント部門で大賞を受賞したのは「TENORI-ON」(岩井俊雄/「TENORI-ON」開発チーム代表 西堀祐)。ベストチョイスはコレに集中すると思われたが、TENORI-ONや優秀賞の「Wii Fit」(「Wii Fit」開発チーム代表 宮本茂)のようにすでに触った事のある作品はともにほぼ素通り。

 代わりに一行が注目したのは、ケータイを使ったコミュニケーションコンテンツの優秀賞「Gyorol」(朴正義)だ。ユーザーはQRコードを通じ、ケータイでウェブページの「釣り堀」にアクセスする。そして床に映るウェブ画面の「釣り堀」に表示された「浮き」をケータイで操作して魚釣りを楽しむというゲームだ。

奨励賞の朴正義「Gyorol」 (C)株式会社バスキュール

 釣り上げた魚は名前がついた状態で画面を泳ぎ、ケータイには壁紙としてダウンロードできる。「バーチャルを囲んで、リアルに楽しむ」という新しいコンテンツの提案にみんなハマりまくった。

 ベストチョイスも意見が分かれた。いしいさんは「最も楽しめた」という「Gyorol」。飯田さんは「奥が深い。飽きずに遊んでしまう」と優秀賞の「FONTPARK 2.0」(中村勇吾)をチョイス。フォントメーカー、モリサワのウェブコンテンツで、文字を一画までばらして、さまざまに組み合わせてイラストを描く事ができる。

優秀賞の中村勇吾「FONTPARK 2.0」と飯田さん (C) 株式会社モリサワ

 原さんは「(3D CG作成に)何のソフトウェアを使っているのか興味津々」と語った「Carbon Footprint」(「Carbon Footprint」開発チーム代表 Matt CHANDLER)をベストチョイスにセレクトした。道端に捨てられた空き缶が50年の歳月を要して自然に腐食していく様を、精緻なCGで描き出した映像作品だ。

優秀賞のMatt CHANDLER「Carbon Footprint」 (C) Discovery Communication Europe

 林さんは推薦作品から「levelHead」(ジュリアン オリバー)をベストチョイスに選んだ。キューブをカメラに写すと、ディスプレイにはキューブの中に小さな部屋が表示される。このキューブを傾けながら、部屋の中の人を次の部屋に進ませ、脱出させるという「拡張現実」技術を応用したゲーム。「角度を調節すると他の部屋も同時に見えちゃいますね」と林さんは笑った。

推薦作品のJulian OLIVER「levelHead」と林さん (C) Julian Oliver

 この他、推薦作品の紙でできたペンギンをたたんで落とすと一気に元の形に戻る「ペンギン爆弾」(中村開己)、昨年に引き続き今回も推薦作品に選ばれた「カミロボ」(安居智博)にも人気が集まった。

推薦作品の中村開己「ペンギン爆弾」 (C) 中村開己

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