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会社引っ越し ブレードで仮想化大作戦 第6回

~ ブレード&仮想化のホンネ ~ 今度はストレージが欲しくなっちゃった!

ブレード&仮想化2 稼働編「夢見たのはこの環境だ!」

2009年03月04日 08時00分更新

文● 志村 拓

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Hyper-Vを試す

 次に、Hyper-V Server 2008をインストールしてみる。改めて説明するまでもないと思うが、Hyper-VはMicrosoft Windows Server 2008に標準搭載されている仮想化機構で、Hyper-V Server 2008は、Winows Server 2008のServer CoreにHyper-Vがインストールされた、いわばHyper-Vだけを動かす必要最小限の仮想化プラットホームと言える。筆者にとって重要なのは、このソフトがタダであるという点だ。

 Hyper-V Server 2008のページから、ISOイメージをGetしてDVDに焼き、先にインストールしたVMwareのボリュームに上書きインストールしてみる。ちなみに、前出のSAS RAIDコントローラの導入ガイドにはWindwos Server 2003のインストールにも言及されており、以下のようなことが書かれている。

  • マルチパスドライバを別途インストールする必要がある
  • マルチパスドライバをインストールするまでは片系のIBM BladeCenter S SAS RAIDコントローラー・モジュールを停止させておく

 確かに、ブレードサーバー起動時のコンソールには、SAS I/Fのファームのメッセージとして、ドライブが2つずつ別のドライブとして表示される。「パルチパスドライバは後で入れるとして、インストールは、ドライブ間違えなければ大丈夫だろう」と、そのままブートドライブにインストールすることにした。

 Windows Server 2008とよく似た画面のインストールは快調に進み、Hyper-V Server 2008が動き始めた。IBM BladeCenter S SAS RAIDコントローラー・モジュールによって提供されている2つのドライブ(ボリューム)をフォーマットし、ブート用として用意した8GBのドライブにインストールするよう指示した。インストール完了後、コンソールからログインすると、CUIベースのHyper-Vの構成を設定するための画面がお出迎えしてくれる。ここでは、ネットワーク設定やリモートデスクトップの指定を行なった。

 後述するが、この画面では仮想マシンの作成、起動などはできず、仮想マシンの管理については別途「Hyper-V リモート管理更新プログラム」と呼ばれるプログラムにより行なうようになっている。VMware ESXiとVIClinetの関係のようなイメージだ。

Hyper-Vのコンソール画面

なんだか、懐かしいようなHyper-V Server 2008のコンソール画面

 コンソール上に表示されているコマンドプロンプトで、ドライブの状況を確認すると、8GBのC:ドライブと1.5TBのD:ドライブが見えている。もう一方のブレードサーバーにも、同じ要領でHyper-V Server 2008をインストールし、ドライブの状況を確認すると、やはり同じ様な構成になっていた。

 SASボリュームのドライブは共有できるのか? 仮想マシンの各ファイルをD:ドライブに作成するようにすれば、2台のブレードサーバーで、少なくとも先に紹介したVMware ESXiと同レベルの運用は可能なのだろうか?

 仮想マシンを作る前に、先のマルチパスドライバを入れておく。IBMのページを放浪すること十数分。Subsystem Device Driver Device Specific Module (SDDDSM)というページを発掘。オペレーティングシステムとしてWindows Server 2003、Windows Server 2008となっているが、Hyper-V Server 2008はWindows Server 2008の64bit版からの派生なので、問題ないハズというか、そもそも選択肢ほかに無いし。

 このページからSDDDSM 2.4.0.0-9 for Windows Server 2003/2008 (x64)のZIPファイルをダウンロード。ZIPを展開した上でCD-ROMに焼いて、ブレードサーバーにセットし、SAS RAIDコントローラの導入ガイドに書かれている通りに(って、Windows Server 2003の話ですが、この際細かいことは気にしない)setup.exeを実行した。

SASマルチパスドライバ

SASマルチパスドライバもコマンドプロンプトで無事動作を確認できた

 予想通り(運よく)インストールは正常に終了。再起動後、導入ガイドに従って、うまく動作しているか、datapathコマンドでデバイスの状況を確認すると、キチンと動作しているようだ。

次ページ「使えるようになるまで」に続く

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