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桜子のビジネスリーダーズインタビュー 第10回

IT業界で働く桜子のビジネスリーダーズインタビュー

ユニクロのヒットメーカーは仕事をやり抜く達人

2009年02月20日 08時00分更新

文● 桜子(Interviewer&blogger)

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周囲の人を巻き込んで、とことんやるのが白井スタイル

 現在、ウィメンズMD部は数十人の所帯である。その責任者である白井氏は販売の数字責任のすべてを負っている。以前はアパレル業界での経験がない彼女に耳を傾ける人がいなくて苦労をしたというが、今では実績がある。

ヒット商品「ブラトップ」

 昨夏に女優の吹石一恵を起用したCMが話題となった「ブラトップ(ブラジャーのカップを内蔵したキャミソール)」は300万枚を売り切った。今年の冬シーズンには発熱保温下着「ヒートテック」がユニクロの店頭で品薄状態。ユニクロの単一商品としては過去最高の2800万枚を販売する見込みだという。

 そんな彼女は、現場でどのように仕事をしているのだろう。商品にかける思いを聞くと、納得できるまで改良を重ねるといった妥協しない姿勢にあるようだ。商品開発には多数の協力が必要であるがゆえに、携わる人すべての意識を高めて、巻き込んでいくことが要求される。中にはこの辺でいいじゃないかと言いだす社員もいなかったのかと尋ねたら、「うちは熱心なデザイナーがいるので一緒になってコレじゃないねと言い合った」と笑った。

桜子 つまりは周りの人を巻き込んだ仕事ができているのですね。

白井 そうですね。私は2005年にウィメンズインナーの責任者になり、ある意味で経営者と同じ。全責任は自分にあるから、私が諦めるとそこでビジネスが終わってしまう。そう思うからこそ熱心にやるんです。

桜子 仕事に人を巻き込める秘訣は何でしょう。

白井 とにかく自分が正しいと思ったら何回も何回も言い続けるんですね。廊下で誰かとすれ違ったときでも、「あっ、ちょっと」と声をかける(笑)。


 心から仕事に打ち込んでいる白井さんの下では要求事項も多いことだろうが、一所懸命仕事をしたいと思う人にとってはやりがいのある仕事ができるに違いない。彼女が重要なポジションに就いて以来、女性向け商品の企画に携わる人間の4分の3が女性になった。

白井 男性の上司は意外に女性をよく過小評価する人が多いと私は思うんです。男性にはチャンスを与えても女性には与えなかったり、与えていないことすら気づいていなかったり。そこを私は意識的にチャンスを与えたい。「本当はあなたたちもっとできるんだから!」と。

次ページ「自信を持ってやり抜く。そして数字も出す」に続く

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