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2008年CPUクーラー最強王者決定戦! 第3回

CPUクーラー2008年発売モデル最強王座はどれだ?【後編】

2009年01月31日 20時00分更新

文● 宇野 貴教

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黒光りするボディはできるヤツの証明
Thermalright「TRue Black 120」

●対応ソケット:LGA775、AM2
●寸法/重量:132(W)×63.44(D)×160.5(H)mm/790g
●実売価格:9980円前後
●製品情報URL:http://www.scythe.co.jp/cooler/true-black120.html
●ASCII.jp記事URL:http://ascii.jp/elem/000/000/141/141896/

 「TRue Black 120」はCPUクーラーマニアではおなじみの「Ultra-120 eXtreme」の冷却強化モデル。6本のヒートパイプを備えるサイドフロータイプなど基本スペックに変更はないが、ボディにガンメタリック調のブラックニッケルメッキが施され、新型グリス「Chill Factor2」が付属するなどの違いがある。ファンは120mm角ファンを2つ同時搭載できるが、オプションのため別途用意する必要がある。今回のテストでは1200rpmタイプのものを使用している。
 取り付けはLGA775、AM2ともにバックプレートを用いて固定する。かなりガッチリと押さえつけるが、作業スペースが十分あるため思ったよりもスムーズに取り付けられた。マニア層に人気のある「Ultra-120」シリーズの最新モデルのため、その実力が気になるところである。ファンの風量がやや少なめというハンデがあったが、高負荷時のCPU温度は33℃をマーク。VRMやチップセットにも風が当たっているようで、これらの温度もまずまずの値となった。静音と冷却が両立する理想的なCPUクーラーである。

  CPU温度
(アイドル時)
CPU温度
(ピーク時)
VRM温度
(ピーク時)
チップセット温度
(ピーク時)
騒音
(アイドル時)
騒音
(ピーク時)
  16℃ 33℃ 44.5℃ 43.7℃ 36.5dB 42.2dB
純正より -12℃ -14℃ -3.9℃ -6.7℃ -1.2dB -9.3dB

総勢25製品(リテール含む)の頂点に立つのはどれだ!?

 ひととおりテストが終わったところで、2008年最強王座決定戦を決めたいと思う。やはりチャンピオンに必要な要素はなによりもCPU冷却性能なので、CPU高負荷時の温度を見てみよう。室温の微妙なズレを考慮すると、32~35℃をマークした製品がチャンピオンの権利を持っているといえる。この範囲にあるのはなんと12製品。2年連続チャンピオンの「CNPS9700-LED」も見事に食い込んでいる。今回はこの中から取り付けやすさ、静音性、VRMやチップセット周りの冷却も加味して絞り込んでチャンピオンを決定したい。

 いくら冷えても常用するのが厳しいレベルの轟音を発するのでは使いづらいというもの。そこで、ファン最大回転時のノイズが50db以上をマークした製品をすべて外すことにする。これにより残るのはXIGMATEK「Achilles S1284」、サイズ「KAMA ANGLE」、サイズ「無限弐」、akasa「AK-967 NERO」、Thermalright「TRue Black 120」の5製品に絞られる。さらに周辺冷却と取り付けやすさを考慮して、2008年のチャンピオンにはThermalright「TRue Black 120」を選びたい。適当に使ったファンで驚異的な冷却能力、そしてブラックニッケルメッキのビジュアル、バックプレート経由だが容易な組み込みの3つがその理由だ。2位には同率でakasa「AK-967 NERO」とサイズ「KAMA ANGLE」をチョイスする。前者は地味ながら意外な冷却性能、後者は見た目のインパクトと周辺冷却の高さがその理由だ。
 クアッドコアの普及率が高まっている昨今、CPUクーラーの性能もぐんぐんと伸びている印象を受けるが、本体サイズの肥大化も著しい。OROCHIのような明らかに狙っているモノは別として、もう少しコンパクトで冷える製品が出てきてほしいものだ。

2008年CPUクーラー最強王座決定戦のチャンピオンに輝いたのはThermalright「TRue Black 120」。適当に使ったファンで驚異的な冷却能力、そしてブラックニッケルメッキのビジュアル、バックプレート経由だが容易な組み込みの3つがその理由だ

2位は地味ながら意外な冷却性能を誇るakasa「AK-967 NERO」

見た目のインパクトと周辺冷却の高さで、サイズ「KAMA ANGLE」も同率で2位入賞

 なお、上記の結果は、編集部独自の評価で勝手に決めたものだ。CPUの冷却能力だけにこだわるか、騒音や周辺温度はどうするかで、個人の判断基準は変わってくるだろう。そこで、今回の検証で使用した製品の数値をグラフ化したものを次ページで紹介しよう。それを参考に、読者も「自分だけの2008年最強CPUクーラー」を決めていただきたい。

※訂正とお詫び:記事初出時、「TRue Black 120」のメーカーがThermaltakeとありましたが、正しくはThermalrightになります。記事を訂正し、お詫びいたします。 

(次ページへ続く)

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