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山谷剛史の「中国IT小話」 第41回

中国人は収入が足りないと言うが……。

2009年01月27日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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大学生や社会人も親にゲーム機を買ってもらう!?


 海賊版を利用する中国人は「正規版は高すぎて、私の収入では買えない」「もっと収入があれば正規版を買う」と口を揃える。海賊版の存在を前提に、正規版の値段を高すぎると評価するのはいかがなものかと思う。しかし、もっとおかしいのは、外車を乗り回し、最新のTouch Diamondを早速買うような人までもが「もっと収入があれば正規版を買う」と免罪符のように話す点だ。

ゲームショップが集まる通りが大都市にはある

 ちなみに今回の記事執筆にあたって、海賊版ゲーム店で何が売られているのかチェックしてみた。「新・中華大仙」という海賊版の在庫がかなり多かった。新・中華大仙だけをもって物事を決めつけるのはよくないが、中華な題材と分かるタイトルのゲームは、海賊版が多数流通する……のかもしれない。

 おそらく世界で(少なくとも筆者の知る限り日本と中国では)、親が子のリクエストを受けてか、将来を考えてか、パソコンを買い与えるケースが普通にある。ただ日本人と中国人が決定的に違うのは所得であり、中国人の親はヘタすれば月収以上の金でPC本体を買い与える。

ゲームショップが集まる電脳ビル内部

 ところがゲーム機に関しては、中国でも子のためを思って買い与える親はかなりの少数派である。多くは子が親にお願いして買ってもらったものだろう。少なくとも筆者の周囲でゲーム機を所有する中国人は、いい歳した大学生や社会人でも、全て親にねだってゲーム機を購入してもらっている。中国にはアルバイトがないに等しく、あっても極めて自給が安い。社会人フレッシュマンの収入はその土地の平均収入よりずっと低い。何より一人っ子政策により、親に甘やかされて育っている。

 考えてみれば当たり前のことなのだが、親が中国の都市部の平均月収並のゲーム機を買い与えられるということは、親は平均月収どころではない収入を得ているわけで、「金がないから買えない」なんてのは大ウソなのだ。

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