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T教授の「戦略的衝動買い」 第38回

持ち運べるアクセスポイント「モバイルルーター CMR-350」

2009年01月26日 12時00分更新

文● T教授

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 CMR-350の設定はシンプルだ。パッケージに同梱されるマニュアルの指示通り行なえば、初心者でも問題なく完了する。筆者は、設定後、ThinkPad X300、MacBook Air、PSP、iPhone3G、iPod Touchを無線LANで使用したが、どれも大きな問題なく動作した。

CMR-350の設定画面。パソコンに接続して有線LAN経由でブラウザー上で行なう。CMR-350で出来ることが一目で理解出来る

WAN側(インターネット)の設定画面。イー・モバイルのHSDPAモデムを使用するのがディフォルトとなっているので、設定は極めて簡単だ

 速度も十分出る。CMR-350を経由するのと、イー・モバイルの「D01HW」をパソコンのUSBポートに直接接続するのとでは、速度に大きな違いはなかった。

実際にCMR-350を使用して、ThinkPad X300を無線LANでネット接続してみた。有線ブロードバンド社のスピードテストでは、D01HWを直付けの場合と殆ど差はなかった。WiFi→3G(HSDPA)の変換効率がいいのか、たまたまだったのか。たった一度だけ測定してみたのではっきりとしたことは言えない

 CMR-350をデータ通信の中継機器として使用することで、各社の通信機器ごとのデバイスドライバーをパソコンにインストールすることなく、業界標準となったLANのプロトコルだけですべてが行なえる。多少マニアックな利用価値やほんの少しの恩恵を忘れれば、この点は有り難い。アプリケーション・ソフトウエアだけではなく、ネットワーク世界でも、クライアントに非標準のユニークなデバイスドライバーを個々に導入する時代は遠ざかっているようだ。

 最後に、対応保証は記載されていないが、以前、当コラムでご紹介した「Eye-Fi」 SDカードを挿入したリコー「GR DIGITALⅡ」で撮影したばかりの写真をCMR-350経由でウェブ上のフォトアルバムに送ってみた(関連記事)。

 途中何度かギクシャクしたが、結果的には無事ネットにアップロードできた。

CMR-350経由でThinkPad X300に写真をアップロード。途中で2~3度ハングしかかったり、実際に停止したりしたが、なんとか成功した

 新しいモノ好きにはなかなか興味あるCMR-350ではあるが、弱点はAC電源が絶対に必要なことだ。HSDPA回線をユーザが満足する安定度で、それなりの時間ドライブするには、相当のバッテリー量が必要なのだろう。

 次世代高速電話回線のスタートイヤーとなる2009年だが、データ通信の世界も、ここ数年は「スピードとバッテリー問題」で明け暮れるのだけは間違いなさそうだ。持ち運びに便利なCMR-350の使える場所が、AC電源の確保出来る屋内に限られるのは極めて残念だった。



今回の衝動買い

アイテム:モバイルルーター CMR-350
価格:1万4980円(有楽町ビックカメラ)

T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

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