なんてったって技術屋のソニーは「部品」がスゴい
それではさっそく検証開始っ。はじめに紹介するのは「部品」の刷新による省エネ化。「消費電力を40%削減」のうたい文句はここから来ている。目玉となる進化のポイントはV5シリーズに搭載された「独自構造のHCFL管」だ。それではさっそく見ていこう。
まずは「ソニー独自のHCFL蛍光管って何がスゴいの?」というところから。説明の前に、まずは写真から見てもらおう。
写真の一番上にあるのが、従来のブラビアに使われていた「CCFL」(冷陰極管)だ。約4mmと外径が細いため薄型テレビにはよく使われるが、そのぶん発光効率が低いという弱点があった。要は明るく光らせるために消費電力を食っていたのである。
写真の一番下にあるのが、一般的に家庭の蛍光灯に使われている「HCFL」(熱陰極管)。照明に使われるほど発光率は高いが外径は約15~20mmと太く、もちろん「薄型」テレビに使われることはなかった。
そのいいとこどりをしたのがソニー独自のHCFLだ。今までフィラメントのらせんは、タテ巻きだったために構造上太くなってしまっていた。そこに同社がブラウン管時代につちかった「トリニトロン」構造を採用し、ヨコ構造・二重らせん状のフィラメントでスリム化を実現しているのだ。詳しくは下記の図のとおり。
構造の説明はこれくらいにしておいて、実際に消費電力の違いをチェックしてみよう。今回追加されたVシリーズの40V型モデル「KDL-40V5」と昨年の春に発表された40V型の「KDL-40V1」、そして同社の36型ブラウン管テレビ「KD-36HD700」を比較している。
というわけで結果はご覧のとおり。消費電力はブラウン管テレビの半分程度で、たとえば2009年2月から2011年7月まで使う場合、通常の使用ならブラウン管テレビより約1万2000円もお得な計算になるという。
……これは確かに主婦目線で心が動かされてしまう。こまめにブラウン管テレビのプラグを引っこ抜くより、よっぽど安いような気がしてきた。