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消費電力はブラウン管テレビの約2分の1――今すぐ替えなきゃ「もったいない」?

ソニーの薄型テレビ、最強の節約力を検証する

2009年01月21日 13時00分更新

文● 盛田 諒/トレンド編集部

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なんてったって技術屋のソニーは「部品」がスゴい

 それではさっそく検証開始っ。はじめに紹介するのは「部品」の刷新による省エネ化。「消費電力を40%削減」のうたい文句はここから来ている。目玉となる進化のポイントはV5シリーズに搭載された「独自構造のHCFL管」だ。それではさっそく見ていこう。

 まずは「ソニー独自のHCFL蛍光管って何がスゴいの?」というところから。説明の前に、まずは写真から見てもらおう。

ごはんつぶより小さい極小フィラメントを実現した、独自のHCFLバックライト(中央)。詳しくは後述

 写真の一番上にあるのが、従来のブラビアに使われていた「CCFL」(冷陰極管)だ。約4mmと外径が細いため薄型テレビにはよく使われるが、そのぶん発光効率が低いという弱点があった。要は明るく光らせるために消費電力を食っていたのである。

 写真の一番下にあるのが、一般的に家庭の蛍光灯に使われている「HCFL」(熱陰極管)。照明に使われるほど発光率は高いが外径は約15~20mmと太く、もちろん「薄型」テレビに使われることはなかった。

 そのいいとこどりをしたのがソニー独自のHCFLだ。今までフィラメントのらせんは、タテ巻きだったために構造上太くなってしまっていた。そこに同社がブラウン管時代につちかった「トリニトロン」構造を採用し、ヨコ構造・二重らせん状のフィラメントでスリム化を実現しているのだ。詳しくは下記の図のとおり。

ソニー提供資料より。ちなみにトリニトロン(Trinitron)とは、「Trinity」(三位一体)と「Electron Tube」(電子管)を組み合わせた造語。デスクトップパソコン時代のVAIOではディスプレーとして「トリニトロン」ブラウン管が採用された経歴も

 構造の説明はこれくらいにしておいて、実際に消費電力の違いをチェックしてみよう。今回追加されたVシリーズの40V型モデル「KDL-40V5」と昨年の春に発表された40V型の「KDL-40V1」、そして同社の36型ブラウン管テレビ「KD-36HD700」を比較している。

左からブラウン管テレビ「KD-36HD700」、40V型の現行機「KDL-40V1」、そして今回の「KDL-40V5」。すべて映像モードは「ダイナミック」に固定。昨年モデルはもとより、ブラウン管との差は歴然としている

 というわけで結果はご覧のとおり。消費電力はブラウン管テレビの半分程度で、たとえば2009年2月から2011年7月まで使う場合、通常の使用ならブラウン管テレビより約1万2000円もお得な計算になるという。

 ……これは確かに主婦目線で心が動かされてしまう。こまめにブラウン管テレビのプラグを引っこ抜くより、よっぽど安いような気がしてきた。

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