ブラザー工業が1月15日に発表した新型ラベルプリンター“P-touch(ピータッチ)”「PT-2430PC」。Windows環境であれば、USBケーブルでPCと接続するだけで、アプリケーションもデバイスドライバーもインストールなしで使える“EL(Editor Lite)モード”を搭載しているのが特徴だ(ELモードはWindows Vista/XP/2000対応)。
これってよく考えると、Windowsでは一般的にプリンタードライバーを経由して印刷実行を行なっている。なぜPT-2430PCはドライバーをインストールせずに印刷できるのだろうか?
その疑問をブラザー工業にぶつけてみた。
その手があったか!!
USBマスストレージ領域をプリンターが参照
教えてもらった答えは、聞いてみると「なーんだ」というほどあっけないものだった。
上はブラザー工業の広報から送られた概念図だが、簡単に説明すると
- USBケーブルで接続したP-touch本体が、WindowsからはUSBマスストレージクラスとして編集ソフト「P-touch Editor Lite」や印刷データ/印刷ステータスを記録・保存する領域を認識している(外付けドライブに見えている)
- ソフトウェアは外付けドライブ上で実行され、その一部領域に印刷データと印刷ステータス(印刷開始を示す合図)が書き込まれる
- P-touch本体には、別のOSで起動・実行しているプリンター部(印刷システム)があり、印刷ステータスを適宜参照して「印刷開始」になると印刷データ領域を読み込み、印刷実行する
――というもの。なるほど、これならWindows側にはUSBマスストレージドライバーしか必要ない(OSに標準搭載されているので、セットアップの手間がない)。
実際、この製品を開発した理由について同社では、「従来の、編集ソフトやプリンタドライバをインストールするタイプですと、インストールの手間を嫌って、ラベルプリンタを使っていただけなかった人たちに、もっと身近に使って頂くために企画しました」と、その狙いを説明する。
PCの操作に慣れていない人に、セットアップ/インストールの手間が掛からないだけでなく、最近では企業のセキュリティーポリシーとして、社内利用するPCに対してソフトウェアやドライバーの追加を禁止するケースが増えている。そうした場合でも、この製品なら使いやすいだろう。
このほかPT-2430PCでは、
- 連続印刷実行時でも、テープを後からはさみで切る手間が掛からない「オートカッター」機能を搭載
- 最大文字高18mm(24mm幅テープ使用時)と大きく印刷できるため、視認性の高いラベルを作成可能
- エナジースター規格に準拠した省電力機能を搭載
などの特徴がある。
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オフィスにも家庭にも、1台あると便利なラベルプリンターだが、1枚2枚印刷するだけなのにいちいちドライバーやアプリケーションのセットアップに時間や手間を掛けるのは、いかにも面倒だ。そんな時に、この製品を思い出してみてはいかがだろうか。