さらにランクを上げると
音楽の生録りなどが中心の商品に
ここまで紹介したICレコーダの価格帯は大体2万円台までだが、実売価格が3万円を超えるさらに上のランクの製品もある。たとえば、ローランド「R-09HR」やヤマハ「POCKETRAK CX」、オリンパス「LS-10」などがそれにあたる。
これらはとことん音質を追求した製品であり、ライブハウスなどで音楽を録音したり、自然界の音を生録するといった用途を前提に設計されている。
これらの製品では録音フォーマットとして、リニアPCM形式やMP3形式にまで対応しているのは一般的な製品と同じだが、CDを越えるようなより高いサンプリング周波数やビットレートにも対応している。さらにはマイクも高音質なものが搭載されている。
会議の録音や語学学習といった用途にはオーバースペックだが、前述の用途と組み合わせて使うという人には視野に入ってくる。
まとめ
初めて買うなら1万円台の製品
冒頭にも述べたように会議の録音などを目的に初めてICレコーダを買う場合は、リニアPCM録音機能にこだわらず、1万円前後で購入できる製品がお勧めである。
数年前にICレコーダを購入しており、そろそろ新しいのが欲しいと思っている人は、もう一つ上のクラスのモデルに買い換えるのがいいかもしれない。ICレコーダはPCやケータイに比べれば、製品サイクルが長いため、ミドルクラス以上の製品なら、より長期間現役として使えるからだ。また、ICレコーダを頻繁に利用する人は、ニッケル水素電池の本体内充電に対応した製品が便利なので、製品選びの際に注目するといいだろう。
PCでテープ起こしをするなら
「Okoshiyasu2」が大変便利
ICレコーダで録音したデータをPCに転送してテキスト化(テープ起こし)する際、一般的な「Windows Media Player」では聞き損ねた部分だけをすばやく聞き直したり、といった作業が難しい。というわけで、テープ起こしに特化した音声再生ソフトはオンライン上には色々存在する。中でもMojo氏作の「Okoshiyasu2」(フリーソフト)が特に便利だ。
Okoshiyasu2は別のソフト、たとえばテキストエディタなどで入力中に、再生や一時停止、指定秒数の巻き戻しといった各操作を任意のホットキーに割り当てて実行できる。また音程や再生速度の変更機能、区間リピート機能などを備えており、効率よくテープ起こしが行なえる。