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サーバ手配不要!App Engineで動くCMS

2009年01月09日 08時00分更新

文●小橋川誠己/企画報道編集部

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 期間限定のちょっとしたイベントの告知や、サークルの仲間内で見るような簡単なWebサイトを作りたい。そんなとき、なるべく手軽にサイトを更新できるシステムがあると便利だ。無償で使えるWebサイト更新ツールやCMS(Content Management System)は数えきれないほどあるが、今回は「App Engine Site Creator」を紹介しよう。

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Google Codeで配布されている「App Engine Site Creator」


 App Engine Site Creatorは、Pythonで書かれたオープンソースの簡易CMS。最大の特徴は、その名の通り、グーグルが提供する「Google App Engine」(GAE)上で動く、ということだ。このため、Webサイトを立ち上げるにあたって新たにレンタルサーバを手配したりする必要はない。GAEのアカウントさえ持っていれば、ローカルのテスト環境でApp Engine Site Creatorを使ってWebサイトを構築し、そのまますばやく、GAEのアプリケーションとして公開できる。もちろん、500MBのストレージ・月間500万ページビューまでといった、GAEのサービス範囲内であれば無償で利用可能だ。

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「App Engine Site Creator」で構築したサイトのサンプル。Google App EngineのアカウントやSDKの用意があれば、すぐにこの状態までこぎ着ける


 CMSとしての機能はごくシンプルで、けっして多機能とはいいがたいが、画像をアップロードしたり、WYSIWIGエディターでページの内容を書き換えたり、といった基本的な機能は備えている。ページの追加や削除はツリー状のサイトマップからでき、サイドメニュー用の独立した編集機能もある。

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編集画面。WYSIWIGエディターでページを編集する

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管理者でログインし、サイトマップで右クリックするとページの追加や削除ができる

 簡易CMSとしてApp Engine Site Creatorを見たとき、目立つのは強力なユーザー管理機能だ。ユーザーを束ねてグループを作り、グループごとにページの閲覧/編集権限を細かく設定できる(ユーザーごとも可)。複数メンバーでサイトを更新する必要がある場合や、ちょっとしたクローズドなWebサイトを作るのに便利そうだ。

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セキュリティ機能。ページごとに閲覧・編集権限を設定可能だ


 もちろんApp Engine Site Creator自体オープンソースなので、Pythonのコードが書ける人なら自分なりに使いやすいシステムに改造したり、機能を拡張してもいい。また、XHTML/CSSの知識があれば、デザインやレイアウトもさほど時間はかけずに変更できるはずだ。

 なお、App Engine Site Creatorはデフォルトでは日本語のページを作成できないが、プログラムを改修することで対応可能だ。ユーザーのブログ「マルコ式研究所」など、分かりやすく解説しているサイトがあるので参考にしよう。

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