通信機能
さてTouch Diamondの通信機能について確認しておこう。まず3G対応スマートフォンであり、HSDPAによる高速なデータ通信が可能だ。通信速度は通信キャリアの提供するサービス仕様に依存し、イー・モバイルとNTTドコモでは下り最大7.2Mbps、ソフトバンクは下り最大3.6Mbpsとなる。
そのほかGSMもサポートしているので、iPhoneやBlackBerryといった北米のスマートフォンと同様に海外でも利用でき、またWiFi(IEEE802.11b/g)をサポートしているので、自宅、会社、公衆無線LANを使ったネット接続ができる。
初期設定ではWiFiは「オフ」になっているので、WiFiを使う場合は「Comm Manager」を開いてWiFiをオンにする。WiFiネットワークを検知するとポップアップウィンドウが表示されるので、表示の指示に従って接続先ネットワークの選択、WEPキーなど入力する。
3GとWiFiを同時に使う場合は、「Comm Manager」で通話とWiFiを「オン」にすればよい。HSDPA 通信をしていると3Gという文字がときどき「H」に変わるので、それで通信して いることがわかる。
3GとWiFiが同時に使える状態にした場合、優先的に選択されるのは3Gのようだ。Hotmailを開いて送受信をすると、アイコンが3GからHSDPA 通信を示すHに変わり、WiFiのアイコンはピクリともしない。この結果から、WiFiの高速通信を利用する場合は、3Gをオフにして使う必要がある。モデムとして使える
S21HT
実は今回Touch Diamondの記事を書くため評価用の機器を貸りることになっていたが、事前にネットで調べたり店頭で実物を見たりした結果、貸出機が到着する前に個人的に「即買い」してしまった。すでにiPhone 3Gを利用しているが、それとは別に新規に購入した。その決め手になったのは
「S21HTをPCのモデムとして使える」
ということだ。
通常、3G 携帯電話をPCに接続してインターネットのデータ通信に使うことはできる。ただしその場合の料金は、パケット定額の料金プランの対象外となり、上限のない従量制で課金される。ちょっとWebブラウズしていると、簡単に1万円を突破してしまう。 これはハード/ソフトの制限ではなく、通信サービス上コストが高くなるので利用できなかったということだ。しかし、S21HTを発売しているイー・モバイルでは、S21HTをモデムとして使った場合のパケット代もパケット定額の対象となり、料金面でもPCのデータ通信カード代わりに使えるのである。
同じ機種を発売するソフトバンクとNTTドコモにも問い合わせてみたが、現状ではパケット定額の対象外になるということだった。
S21HTだけを持って出かけても、メールは受信できるし、Webページも見られる。さらにWordやExcelなら編集もできるのでほかになにもいらないかもしれない。しかし、出先で作業をするとなるとスマートフォンでは効率が悪い。必然的にノートPCを持ち歩くことになる。そのとき携帯電話も一緒に持ち歩くことを考えると、S21HTであれば電話もできるしPCにつないでモデムとしてHSDPAの高速通信に使えるのだ。これはほかのスマートフォンおよびほかの通信キャリアにはない、イー・モバイルのS21HTならではのユニークな使い方である。
後編に続く