BlackBerry8707h
日本国内でNTTドコモが販売しているのは「BlackBerry 8707h」である。2006年9月の発売当初は日本語非対応だったが、現在ではQWERTYキーボードを用いてのローマ字入力もサポートし、画面表示も含めて日本語に完全対応している。
サイズは幅69.5×厚さ19.5×高さ110mmと、国内でよく見かける携帯電話に比べると幅広である。北米の製品に見られる頑丈さが感じられ、鞄に放り込んで使ったとしても少々のことでは壊れそうにない。その一方で、重さは140gと軽量だ。
搭載されているディスプレーの解像度は320×240ドット(QVGA)であり、発売当初から変わっていない。そのためiPhone 3GやTouch Diamondなど最新の機種と比べると、画像表現の面では荒さを感じるのは否めない。メモリーは64MBのフラッシュメモリーと16MBのSRAMを搭載しているが、これもやはり2年前の機種といったスペックである。音楽やビデオなどのコンテンツを扱うのは厳しいかもしれない。
しかしながらビジネスでの利用を前提とした場合、スマートフォンに必須となるのは、まずメールを送受信できること、そしてPC 環境に近いファイルの閲覧機能である。加えて、フルブラウザーでの閲覧も今や必須といえるだろう。これらの要求に対して、BlackBerryはWordやExcel、PowerPoint、PDF文書の閲覧、そしてフルブラウザーの装備と十分な機能を提供する。
受信したメールを読むとき横長ディスプレーは必須である。一行の文字数が少ないと改行が多くなり、読みにくくなるからだ。ある程度の文字数を表示するためには横長のディスプレーが適している。また、効率的な文字入力が行なえるシステムも重要だ。
また、BlackBerryの幅広ボディは両手で持つには実に具合がよい。そして、前面の約30%ほどを占めるQWERTYキーボードは、両手の親指を使って入力しても、隣りあうキーを誤って押すこともなく正確な入力ができる。
日本の携帯電話のように10キーによる入力には対応していないが、普段PCのキーボードでローマ字入力している人には使いやすいだろう。
文字入力を効率的に行なうための予測変換も実装されていて、一般の携帯電話と同じように効率よく文章を入力できる。
文字入力のほかに、メニューの項目を指定したり、変更する項目を指定したり、ポインティングデバイスを使った操作も重要である。BlackBerryでは、本体右側面のホイールを使って項目の選択を行なう。ホイールを回すと、項目が順番にハイライトされる。Googleなどで検索する場合も、ホイールをくるくる回してキーワードの入力欄をハイライトにして検索キーワードを入力する。タッチパネルやポインティングデバイスを装備した最近の端末に比べると機械仕掛けのレトロな感じだが、小気味よくキビキビ動いてくれストレスを感じない。
2006 年に発売されてから日本語対応などソフト的な面ではバージョンアップされてきているが、キーボードやホイールなどハードウェア部分は変わっていない。それは欠点ではなく、むしろ操作性のよさと感じられる。
BlackBerry Bold
2009年2~3月に発売が予定されている「BlackBerry Bold」は、最新かつハイエンドの機種であり、個人として利用するにも十分な機能が備わっている。
約2.7インチのディスプレーはタッチパネルではないが、iPhoneと同じ480×320ドット(Half-VGA)の解像度である。QWERTYキーボードを搭載し、キーボードとディスプレーの中間に電話の発信、メニュー(BackBerryロゴ)、トラックボール、Escapeキー、電話の切断(電源)ボタンが置かれている。
通信機能では、下り最大3.6MbpsのFOMAハイスピードの利用や、800MHz帯のFOMAエリアプラスにも対応しているので、地方でもFOMAネットワークを使える。さらにWiFi(802.11a/b/g)をサポートしているので公衆無線LANサービスを利用した高速なインターネットアクセスの利用も期待できる。
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