「Fable II」は壮大なキャラクターエディットゲーム
先に説明したように、ストーリーの骨子になる部分はしっかりと存在している。しかし、細かいプレイの積み重ねで物語の内容すらも変化するため、ある意味、ないに等しいとも言える。では、どうやって骨子となる物語を進めていくのかといえば、「名声」によって進めていくことになる。
ゲーム中の名声は、善行の結果としての「正の名声」と、悪行の果ての「負の名声」が混同して使用されており、どちらでも「名声」がアップする。そして、名声の数値を上げて有名になることで、民衆の支持(不支持)を得て、信頼(嫌悪)を得ていくのだ。
善人プレイの場合であれば、人を傷つけない、物を壊さない、盗みをしないなど、現実社会なら誰もが守っている「倫理や道徳」を規範にした行動を原則に、「人助け」に寄った内容のクエストで名声を上げていくことになる。そして、善行のもとでクエストを行なっていくと、民衆は羨望の眼差しを送ってくるように変化していく。
人によって好意の眼差しはざまざまで、「あなたに興味がある」から「好き」になり、そして究極的には「結婚したい」というものまで現われる。筆者の実感としては、最初に女性が好意を抱き、近寄ってくるようになる。より名声が上がって善人度が増すと、子供が駆け寄ってくるように変化していくという感じだ。
また、プレイヤーがどういう行動を取ったかは、その外見を見れば察しが付く。というのも、肉などの食事を取りすぎれば「太り」、強さが増せば「体格が増し」、スペル(魔法)を使用すれば「ウィル」が皮膚に浮き出てくるなど、行動のあり方が容姿に強く反映してしまうからだ。
そして、社会秩序への規範のあり方でも容姿は変貌する。善行を行なえば、精悍な姿へと変貌して好意を抱く存在となり、悪行を重ねれば嫌悪感を抱かせる恐怖の対象となるのだ。つまり、「Fable II」とは、壮大なキャラクターエディットをプレイしているとも言えるのだ。
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