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次世代Windowsの姿が見えた! 第16回

Windows 7の実像 Part 4 デバイスステージが周辺機器を使いやすく

2008年12月26日 14時00分更新

文● 山本雅史

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デバイスを簡単に操作できるデバイスステージ

PIXUS MP980用に作成された日本語でのデバイスステージ

WinHEC 2008 Tokyoで披露された、キヤノンのプリンター「PIXUS MP980」用に作成された日本語でのデバイスステージ。各種設定や印刷、メモリーカードへのアクセスのほか、インク購入用サイトへのリンクまで用意されている

 Windows 7では、各種周辺機器を操作するメニュー画面として、「デバイスステージ」が用意される。デバイスステージではプリンターや携帯電話機、デジタルカメラ、リムーバブルデバイス(ポータブルオーディオ/ビデオ)、リムーバブルメディア(USBメモリー、外付けBDドライブなど)、ディスプレーなど、パソコンにつながっている周辺機器が、製品画像のアイコンで表示される。

ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D90」のデバイスステージ

デバイスステージは一般的なパソコン用周辺機器のみに止まらない。こちらはニコンのデジタル一眼レフカメラ「D90」のデバイスステージ

 もしアイコンのデータがない場合は、OSに同梱されている標準のデバイスアイコンが表示される。Windows 7自体が持つ各種デバイスのアイコンも、製品に似たリアルなものに変わっている。これにより、自分がどの周辺機器を使用しているのかが、一目で分かりやすくなっている。

接続されている周辺機器の一覧表示

接続されている周辺機器の一覧表示。ほとんどの機器が、その製品の姿をしたアイコンで示されているので、パソコン慣れしていない人でも分かりやすい

 デバイスステージでは、機器のアイコンをクリックすると、そのデバイス専用のページが表示される。このページは基本的にHTMLで、周辺機器メーカーが独自に機能を付け加えられる。例えば、プリンターの写真を見せながらインクの交換方法を説明したり、給紙の仕方を説明できる。メーカーのサイトにリンクさせたり、デジタル化された取扱説明書を表示することも可能だ。

 メーカーが用意している、その機器に対応したアプリケーションへもリンクできる。例えば複合機などを使うときに、スキャンや印刷といった用途ごとに適したアプリケーションを簡単に探せるわけだ。

 デバイスステージはOSの機能として周辺機器を管理するというより、ユーザーへの見せ方を変えたものと言える。周辺機器メーカーによれば、機器を活用するアプリケーションを付属させても、あまり使ってもらえていないという現状があるそうだ。しかし、デバイスステージによって周辺機器に関連する情報やアプリケーションが1ヵ所にまとまると、ユーザーにとっても分かりやすくなる。付属アプリケーションも有効に活用してもらえるようになる。

 さらに、プリンターの交換インクをデバイスステージから購入できるように、自社の直販サイトにリンクしたり、オプション機器の購入画面に飛ばしたりできる。携帯電話機に内蔵されているカレンダーやメール機能をパソコン側データと同期したり、パソコンから着メロに音楽を転送することも可能だ。

 多くの周辺機器メーカーがデバイスステージに対応する予定だ。プリンターではキヤノンにエプソン、ヒューレット・パッカード、ブラザー。デジタルカメラではソニーやニコン。携帯電話機ではモトローラなどが対応を表明している。また。アイ・オー・データ機器も、自社の周辺機器の多くをデバイスステージに対応させるためのデータ(メタデータ)を提供する予定だ。WinHEC 2008 Tokyoでは、アイ・オー・データ機器製のUSBメモリーや外付けBDドライブなどが、デバイスステージに対応していた。

 日本で販売されている周辺機器の多くは、Windows 7リリースと同時にデバイスステージに対応することになるだろう。


64bit版への移行はWindows 7で進む?

 パッケージの種類に関しては、マイクロソフトは明確にしていない。しかしVistaと同じように、Home Basic、Home Premium、Business、Ultimate、Enterprise(ライセンスでのみ提供)などのエディションが用意されることになるだろう(新興市場向けのStarterも含む)。

 Windows 7でも、32bit版(x86版)と64bit版(x64版)の両方が用意される。米国ではVistaでも64bit版の比率が上がっているため、Windows 7では64bit版の方が多数出荷されるのではないかと米マイクロソフトは予測している。

 日本でWindows 7の64bit版が一気に普及するかどうかは、微妙な状況だ。CPUのほとんどに64bit機能が搭載され、2GBのメモリーモジュールが非常に安くなっていることを考えれば、そろそろ64bit版の移行も検討される時期と言える。しかし、64bit版に対応したデバイスドライバーが、特にWindows XP時代の機器ではまだまだ少ない。

 マイクロソフトでは、WinHECなどで、デバイスドライバーの64bit対応を進めるように強くアナウンスしている。マイクロソフトのデバイスドライバー向けロゴプログラムの条件にも、64bit版デバイスドライバーのサポートが明記されている。これらにより、日本国内でも64bit版Windows 7が普及する可能性は出てくる。

 アプリケーションに関しても、64bit版に対応した製品が登場しつつある。例えばアドビ システムズのAdobe CS4ファミリーのPhotoshop CS4、Lightroom 2などは64bit版が用意されている。メモリーを大量に消費するデザイナー/クリエイター向けのアプリケーションから、64bit化が進んでいくだろう。

 ちなみに、Windows 7と同時期にリリースされるWindows Server 2008 R2は、64bit版しかリリースされない。もちろん、サーバーOSとクライアントOSでは状況が異なる。とはいえ、Windows 7の次のOSが2013~2014年にリリースされると仮定すれば、Windows 7の次はクライアントOSも、64bit版しかリリースされないこともあり得るだろう。32bit OSとしては、Windows 7が最後のOSになるのかもしれない。

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