温度と消費電力
続いて温度と消費電力を見てみよう。GPU温度はHWMonitorPro 1.03を使用し、消費電力はワットチェッカーを使用して計測している。計測はアイドル時(EIST有効)はWindowsが起動してから15分放置した時点、高負荷時は3DMark VantageのGAME2テストを連続して5回実行し最も高い値を抜き出している。
いずれのビデオカードもGPUクーラーに大きな違いがあるほか、ファンの回転数制御も異なるため、GPU温度が高いからといって冷却能力が低いわけではない。最近の製品は、ファン回転数を抑えて騒音を下げる方向に振っているものが多いため、温度は比較的高くなりやすいことは覚えておこう。ATIもNVIDIAもコントロールパネルにてファン回転数を手動設定できたりするので、温度が気になる場合はファン回転数を上げるのも手だ。
さて上記を踏まえた上で温度を見てみると、HD 4850だけが温度が高い。高負荷時には80度に達しているが、これはHD 4850のファン制御が極端に低速に設定されているためだ。ちなみに、この中でもっとも静だったのは、HD 4850である。またHD 4830はオリジナルのGPUクーラーが効いており、パフォーマンスの割りに低い温度となっている。騒音レベルも低く、温度と騒音のバランスはこの中で一番優れていると感じた。
次に消費電力だが、さすがにHD 4850は高負荷で193Wと最も高くなっている。そしてHD 4830が172Wなのに対し、9600 GTは155Wに留まっており、性能差を考えても9600 GTの方が省電力と言えそうだ。逆にアイドル時にはATI PowerPlayが効くためか、HD 4830は9600 GTよりも省電力となっている。
パフォーマンスで選ぶならHD 4850
価格で選ぶならHD 4830
HD 4850は今回の4製品の中で、ある意味別格だが、価格は2万円を割り込んでおり、非常にお買い得感は高いと言える。しかし予算が1万5千円以内というのであれば、HD 4830をオススメしておきたい。9600 GTとの価格差もわずかであり、ほとんとのシーンで凌駕することを考えるとHD 4830の方が断然お得である。9600 GTは、PhysX効果も3DMark Vantageで見る限りあまり大きくなく、以前テストレポートをお届けしたNVIDIA CUDAの効果も9600 GT程度では、それほど高くないことを考えると、積極的には選びにくい。
またHD 4670は9600 GTと価格は近いものの、さすがにパフォーマンスは1ランク落ちる。しかし、PCI Express電源を必要としない製品として小型ベアボーンなどへの組み込みを考えた場合、有力な候補になるだろう。
この連載の記事
-
第4回
ビデオカード
今、お買い得ビデオカードはコレだ!【ハイエンド編】 -
第3回
ビデオカード
今、お買い得ビデオカードはコレだ!【エントリー編】 -
第1回
ビデオカード
今、お買い得ビデオカードはコレだ!【アッパーミドル編】 -
第-1回
ビデオカード
年末年始に買いたいビデオカード - この連載の一覧へ