歴史ある操作性をさらに「洗練」
隠れたボタンの操作性が良好
HPはタブレットPCに関して、最初期から取り組んでいるメーカーのひとつである。そもそも、「タブレットPC」という概念のうち、ハードウェア的な特徴に大きな影響を与えたのが、HPと合併する以前の米コンパックのモバイル部隊だった、というエピソードがあるくらいである。その伝統は今でも、操作性という形で生きている。それどころか2730pでは、より洗練されている印象だ。
例えば、タブレットモードでの「操作ボタン」。タブレットモードで書いていて、意外と便利なのが、タブレットモード時の右側面(通常時には、ディスプレー下部の縁)に用意された、ページアップ/ページダウン用のジョグダイヤルである。ページ下端にきたらこれを押すと、紙メモのページを「めくる」ように、次の白紙のページを呼び出せるので、ストレスなく作業が進められる。また、縦にしてウェブなどを閲覧している場合には、このジョグがスクロールキーの役割を果たすため、縦に長いページも楽に読み進められる。
また、画面の方向や輝度、無線LANのオンオフなど、いくつかの設定を呼びだす「Qメニュー」も便利だ(画像)。本体上部(通常時は本体左側面の手前側)にある「Quicklookボタン」を押すと表示される。メニューに任意のアプリケーションを登録して、ランチャーとしても利用できる。
そして重要なのは、これらのボタンはすべて「フラットな側面に隠れている」ということだ。
タブレットモードではキーボードが使えないので、タブレットPCでは各種操作のために、ボタンが用意されている場合が多い。HPやレノボのタブレットPCが評価されるのは、それらのボタンと、そこに関連づけられた専用アプリケーションの出来の良さにある。
しかし過去の製品の場合、これらのボタンがディスプレー面にあったり、本体側面から大きく出っ張っていたりして、美観の点でも操作性の面でもマイナスになっていた。だが2730pの場合、見てのとおりほぼ「ツライチ」になっており、言われなければボタンの存在を感じない。明示的に押さないと反応しづらい配置なので、誤動作も起こしにくい。
指紋センサーも本体上部(ディスプレー右側面)にあって目立たないが、機能面はもちろん問題ない。
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