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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第14回

2008年最高のタブレットPC EliteBook 2730p

2008年12月18日 10時00分更新

文● 西田 宗千佳

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歴史ある操作性をさらに「洗練」
隠れたボタンの操作性が良好

 HPはタブレットPCに関して、最初期から取り組んでいるメーカーのひとつである。そもそも、「タブレットPC」という概念のうち、ハードウェア的な特徴に大きな影響を与えたのが、HPと合併する以前の米コンパックのモバイル部隊だった、というエピソードがあるくらいである。その伝統は今でも、操作性という形で生きている。それどころか2730pでは、より洗練されている印象だ。

 例えば、タブレットモードでの「操作ボタン」。タブレットモードで書いていて、意外と便利なのが、タブレットモード時の右側面(通常時には、ディスプレー下部の縁)に用意された、ページアップ/ページダウン用のジョグダイヤルである。ページ下端にきたらこれを押すと、紙メモのページを「めくる」ように、次の白紙のページを呼び出せるので、ストレスなく作業が進められる。また、縦にしてウェブなどを閲覧している場合には、このジョグがスクロールキーの役割を果たすため、縦に長いページも楽に読み進められる。

問題の「ジョグダイヤル」は後ろ側の一番左にある

本体を背面から。問題の「ジョグダイヤル」(赤枠部分)は後ろ側の一番左にある。これがカーソルキーやページアップ/ページダウンなどの役割をはたす

 また、画面の方向や輝度、無線LANのオンオフなど、いくつかの設定を呼びだす「Qメニュー」も便利だ(画像)。本体上部(通常時は本体左側面の手前側)にある「Quicklookボタン」を押すと表示される。メニューに任意のアプリケーションを登録して、ランチャーとしても利用できる。

本体左側面

本体左側面。右端のUSBポートの隣にある[i]のボタン(赤枠部分)が「Quicklookボタン」。ここを押すと「Qメニュー」が現われる。ちなみに「Q」の語源は、2002年にHPに吸収されたコンパック社がタブレットPC向けに開発していたことというくらいだから、歴史の古さが感じられる

各種設定を簡単に呼び出せる「Qメニュー」(左)。ジョグダイヤルで操作できるため、ペンを使わずとも機能呼びだしが可能。設定はかなり自由度が高く(右)、ランチャー代わりにもなる

 そして重要なのは、これらのボタンはすべて「フラットな側面に隠れている」ということだ。

 タブレットモードではキーボードが使えないので、タブレットPCでは各種操作のために、ボタンが用意されている場合が多い。HPやレノボのタブレットPCが評価されるのは、それらのボタンと、そこに関連づけられた専用アプリケーションの出来の良さにある。

 しかし過去の製品の場合、これらのボタンがディスプレー面にあったり、本体側面から大きく出っ張っていたりして、美観の点でも操作性の面でもマイナスになっていた。だが2730pの場合、見てのとおりほぼ「ツライチ」になっており、言われなければボタンの存在を感じない。明示的に押さないと反応しづらい配置なので、誤動作も起こしにくい。

 指紋センサーも本体上部(ディスプレー右側面)にあって目立たないが、機能面はもちろん問題ない。

本体右側面

本体右側面。ディスプレー部の左側に指紋センサーがある(赤枠部分)。タブレットモードでは「上部」にきて使いやすい。最近のノートでは珍しく、IEEE1394ポートも装備

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