より洗練されたインターフェース
Premiere Pro CS4を起動した第1印象は「画面が暗い」だった。Premiere Pro CS4の画面配色は、CS3のグレーと比べると、かなり黒に近い色を標準としている。CS2から採用されたドッキングインターフェースは、タブの形状がスクエアになり、全体的にソリッドな印象が増した。
筆者の環境だけかも知れないが、CS3まではこのインターフェースの挙動に、一部不安定な部分があった。何もしていないのに、時折カクッと画面が乱れたりする症状があった。だがCS4は安定しているようだ。
見た目の大きな変化以上に、地味だが気が利いていると感じさせるのは、タイムラインとエフェクトコントロールパネルの使い勝手の向上である。この2つはPremiereを操作する上での要であり、作業時のストレスを最も感じやすい部分でもある。
これまではPremireを使っていて、「面倒臭いな」と思いながら目視でちまちまと調整していた部分、例えばクリップのトラック移動や、エフェクトコントロールでの他クリップとのキーフレームの同期などが、自動でスナップするようになっている。また、複数のクリップに対して、一度で同じエフェクトがかけられるなど、痒い部分に手が届いた改良はユーザーとして大歓迎である。
After Effects CS4へのクリップ転送エディット
一連のAdobe CSシリーズ製品群は、バージョンアップを重ねるごとに相互の連携性を高めている。動画編集の分野では、Premiere ProシリーズとAfter Effectsシリーズが2大巨頭で、この2種の連携強化は、特にモーショングラフィクスを扱うクリエイターにとって大きな恩恵となる。
Premiere Pro CS4から搭載された機能として、After Effects CS4へのクリップ転送というものがある。これは、Premiere Pro CS4のタイムライン上で選択されたクリップを、After Effects CS4へ転送して編集できるというものである。いちいち「Premiere側でレンダリングしてファイル化してから、After Effectsで開いて……」といった作業が省略できるため、慣れてくると格段に作業効率が向上するだろう。
2つのソフト間で、クリップやタイムラインを相互にコピー&ペーストもできる。もっとも、広い画面を必要とするソフトを2つ同時に開くことになるので、解像度の大きなディスプレーがないと恩恵を感じにくい。
Premiere Pro CS4で編集中のクリップを、After Effects CS4に転送して編集する様子。Premiere Pro CS4では、After Effect CS4で編集されたプレビューをリアルタイムに確認できる