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ダメな日本の“会議室”から脱出する

イタリア職人の技で、日本のミーティングスペースは明るく変わる

2008年12月09日 04時00分更新

文● 行正和義

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職人技から一転、先進デザインと技術

 シティアの“革”や“職人”といったキーワードと対比をなすように、先進的なデザインや素材、技術を取り入れた製品づくりが特徴のメーカーが、KRISTALIA(クリスタリア)だ。

 「KRISTALIA Boum(ボウム)」は樹脂射出成型された独特の曲線を背面/底面に採用するほか、ウェットスーツなどで採用されているテフロン加工ナイロンの座面を持ち、軽くて耐久性に優れ、クッション材を装備するにもかかわらずスタックして積み上げることも可能となっている。「KRISTALIA PIKAIA(ピカイア)」は背中を包み込むような独特の曲面を採用し、成型されたポリウレタン樹脂は独特の弾力を持ちわずかにリクライニングする。

樹脂ボディとナイロン座面のモダンな素材感の「KRISTALIA Boum」。射出成型樹脂によるボディは驚くほど軽く(4.2kg)、デザイン上のアクセントになっている背もたれ中央部の取っ手により持ち運びも容易(左)。右は、カンブリア紀の生物の名前を持つ「KRISTALIA PIKAIA」。ポリウレタン樹脂による弾力により、座って体重を預けると自然と背骨の中心に背もたれがフィットする

樹脂成型が独特の世界を構築する

 PARRI(パリ)社はデザイナーのマルコ・マラン氏による樹脂成型の独特なデザインを特徴とするメーカー。「PARRI HOOP(フープ)」は1枚のプラスチックが溶けて流れたような座面を採用し、シンプルながらも有機的なデザイン。細い脚は軽く曲線を帯びていて、その弾力によってわずかに回転するなど、国産の椅子には見られない構造を持っている。

孔雀が羽を広げたところをイメージしたというPARRI HOOP。一見シンプルながら軽くて優美な造形となっており、樹脂の座面だけでなく、微妙な曲線を描く細い脚にもこだわりが見られる

 最近ではかなり洒落たデザインのオフィス用品も増えてきてはいるものの、「本物を置くことの重要さ」(内田洋行広報部 深澤氏)の言葉どおり、Sitiaチェアーの本革・手縫いの感触と座り心地は、工場で大量生産された家具ではなかなか味わえないものだ。

 確かにSitiaをはじめとしたモデルは一般的なオフィスチェアーからすればかなり高めではあるものの、オフィスを知的生産の場として考え、そして社員の創造性を高めることを考えるならば、凡庸なデザインと品質の椅子を並べるよりはけっして惜しくない投資のはずだ。それが、“贅沢”ではなくて戦略的な観点をもはらんでいるのは、先端的なIT企業のオフィスを見れば頷けるところであろう。

  • Sitia Major 予定価格18万400円
  • Sitia Hibiscus 予定価格31万7300円(5スターベースモデル)
  • KRISTALIA Boum 予定価格6万7200円
  • KRISTALIA PIKAIA 予定価格3万7300円
  • PARRIS HOOP 予定価格2万9400円

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