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渋谷ハチ公前で発電床実証実験スタート

エコ発電とFlashが渋谷をジャック!

2008年12月05日 20時00分更新

文● 千葉英寿

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渋谷ハチ公口前の何十万人もの人々が通る場所で実証実験。白い矢印の先の、皆が踏みしめている黄色い部分が「発電床」。現在献電中なわけです

 12月5日、音力発電と渋谷区は、次世代クリーンエネルギーである「振動力発電」による屋外初の大都市型クリーンエネルギー実証実験を、渋谷駅ハチ公前広場においてスタートした。実証実験期間は12月25日まで。

セレモニーの様子。一番左が、振動を電気エネルギーに換える仕組みを作った音力発電の速水浩平氏

振動を電気に換えるエコロジー技術

速水さんが踏みしめている下に発電床があり、そこを踏みしめることで頭上の電光掲示板のワット数が増えていく

 本実験では、振動をエネルギーに変換する新しい技術である床材「発電床」から供給される電力量を、渋谷区憲章パネルに設置したディスプレイにリアルタイム表示するシステムにAdobe Flashのテクノロジーを採用しており、より親しみやすく、分かりやすい表現が施されている。Flashが同実験の認知度向上に一役買うと共に、渋谷のエコなクリスマスを彩っている。

 「振動力発電」は力を加えて変形させると電圧を発生する「圧電素子」を利用した発電方法で、この圧電素子を敷き詰め、人が踏む事で発電する「発電床」を本実験では採用している(関連記事)。

 本実験では渋谷区憲章パネル前に地面に埋め込んだものを1ヵ所、圧電床を踏むとFlashコンテンツがリアルタイムで発電量を表示するディスプレイ前に2ヵ所の計3ヵ所に圧電床を設置している。3ヵ所の合計発電量はパネル上部に設置された電光掲示板にリアルタイムで表示される。朝9時から夜11時まで稼働しており、夜はパネルの装飾にイルミネーションが灯る。もちろん、このイルミネーションも発電床によって点灯している。

地面に埋め込まれた「圧電床」。この黄色い部分を人が踏みしめる時に電気が生まれる。一番上の画像にある白い矢印の先の黄色い部分がコレです

 本実験では最新のテクノロジーを広く一般に知らしめるために、複数のクリエイターが協力し、より分かりやすく、親しみやすい表現で、実験を盛り上げている。パネルの装飾やディスプレイに表示されるFlashコンテンツなど、全体のクリエイティブディレクションを行なったのが、カンヌ国際広告賞などの受賞歴を持つイメージソース。

 担当したクリエイティブディレクターの小泉望聖氏は、「今回の実験は最先端のテクノロジーを使ったものなので理系のイメージが強く、チャーミングではないと感じていました。そこで、より親しみやすいものにするため、junaidaさんにイラストをお願いしました。これなら子どもからお年寄りまで幅広い年代の人に親しんでいただけると思ったからです」と語る。

イメージソースの小泉望聖氏が渋谷区との折衝にあたり、今回のプロジェクトが実現した

 小泉氏が紹介するjunaida氏は、アミューズに所属するアーティストで、童話や神話のような物語性のある絵を描く。左に小人たちが「献電」を呼びかけるものがあり、間に渋谷区の地図を挟んで、右には木の家のようなものに向かっていく小人が描かれている。

 junaida氏は「当初からツリーをイメージしていました。僕は木に人と家がごちゃまぜになったようなものを描く事が多いのですが、今回、こういう絵になりました。(左側から)小人たちが歩いてきて、発電しながら(右の絵にある)木の家に帰っていく、というストーリーになっています」と説明した。

渋谷の駅前に飾られているjunaida氏の絵。左と右の絵は繋がっている。また、ディスプレーではFlashムービーが流れ、発電量などを表示している

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