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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第13回

フルアルミのMacBookをWindowsユーザー視点でチェック

2008年12月04日 14時43分更新

文● 西田 宗千佳

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グラフィック性能大幅向上で
Mac OS XもVistaも快適動作

 新MacBookでは、チップセットとしてNVIDIAのGPU統合チップセット「GeForce 9400M」を採用している。採用の理由はグラフィック性能の強化にある。インテルの統合チップセットに内蔵された「GMA X3100」(Intel GM965系)に比べると、Mac OS X利用時の性能は「5倍」(アップル)との評価もある。

 Mac OS Xはリッチなビジュアル表現ゆえに、グラフィック性能に依存する部分が多い。筆者はMacBook Air(2008年2月発売モデル)も使っているが、このモデルが搭載しているGMA X3100ではどうも性能が不足するのか、画面の書き換えにもたつく感じを受ける。WindowsではGMA X3100でも不満を感じにくいことを考えると、今のMac OS Xには、GMA X3100では性能が足りないのだろう。今秋のノート系マックは、すべてが9400M以上のGPUを採用しており、そうした「重さ」がかなり緩和されている。

 この性能は、当然Boot Camp経由でのWindowsでも有効だ。Windows Vista Ultimateをインストールし、Vistaエクスペリエンスインデックスをチェックしてみた。結果は「5.2」と非常に優秀なものとなった。経験上、GMA X3100を採用した機種の場合、トータルでのスコアは3から3.5といったあたり。ボトルネックはグラフィックである。

Vistaエクペリエンスインデックスは5.2とかなり高め

Vistaエクペリエンスインデックスは5.2と、GPU統合チップセット搭載ノートとしてはかなり高め。GeForce 9400Mの優秀さゆえだろう。ゲームも比較的軽めなネットゲームなら、なんの問題もなくプレイできる

 MacBookの場合、ボトルネックはHDD。とはいえ、スコアはノート系としてはトップクラスで、動作はきわめて快適である。9400Mはあくまで「統合型」の範疇に入る製品であり、現在の高画質化したゲーム向けには、少々心許ない性能だ。しかし一般的な用途ならば、Vista/Mac OS Xともに、十分に快適な性能である。非常に魅力的な点である。

 GPUが高性能化し、本体がフルアルミ化したとなると、気になるのは「発熱」。しかしその点も、一言でいえば「優秀」であった。

 2007年秋モデルのMacBook(Core 2 Duo 2.20GHz、GMA X3100、黒のポリカーボネートボディー)と、新MacBookの発熱をチェックしてみたが、その差は非常に大きなものとなった。

 Macに限らず、海外メーカー製造のパソコンは伝統的に発熱量が大きい。特にポリカーボネート世代のMacBookは底面発熱が大きく、膝の上での利用は厳しい印象があった。

 だが新MacBookの場合には、全体での放熱能力が向上しているためか、比較的負荷の高い状況でも、発熱はさほど高くなかった。2007年モデルに比べて新MacBookは劇的に性能が向上していることを考えると、非常に魅力的な要素といえる。

表1 各部の温度 放射温度計による測定、外気温は25℃。AVC圧縮/720×480ドットの動画を再生中に計測。
パームレスト 底面の最大発熱部
新MacBook 約35.5度 約38度
MacBook 2007年モデル 約35.1度 約45.1度

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