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レイヤーの自動合成やCameraRawも試してみました

使い勝手が「かなり」向上! Adobe Photoshop CS4

2008年12月03日 12時00分更新

文● 諫山研一

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部分的な補正を可能にしたCamera Raw 5.0

 CS3搭載のCamera Rawでも、RAW現像時点で簡単なレタッチやトリミングを可能にしていたが、CS4に組み込まれているバージョン5.0では新たな編集機能が追加された。具体的には「補正ブラシ」と「段階フィルタ」の2つだ。どちらも部分的に、露光量/明るさ/コントラスト/彩度/明瞭度/シャープ/カラー──などの調整が可能。

 「補正ブラシ」は、スライダー以外にもブラシサイズで調整できることから、現像時に細かな補正が可能になる。ブラシサイズやパラメーターを事前にセットしておき、補正したい部分をなぞるだけという単純さもいい。補正をやり直したい場合も、ブラシサイズで修正可能。加えてマスク表示ができるので、補正した部分をひと目で確認できるのも便利だ。

RAWデータを開いたままの状態。画面左上の暗くなっている部分のディティールを、補正ブラシで修正すると……

このような結果になった。画面の明るい部分には影響を及ばさずに、ブラシでなぞった部分だけ明るくなっているのがわかる

 グラデーション状に各種補正を可能にする「段階フィルタ」機能は、背景のトーンを落としたいときや空のグラデーションのイメージを変えたいときに便利だ。グラデーションは単一方向だけでなく、角度をつけて適用できるため、イメージに合わせた処理が可能となる。

段階フィルタ

「段階フィルタ」を使って、空のグラデーションを強調した画面。グラデーションの範囲は、点線をドラッグすることで、自由に調整可能だ

段階フィルタ

グラデーションは、垂直方向だけでなくさまざまな角度をつけて適用できる。また、ひとつの画像の中で、複数のグラデーションを使える

 これらの編集機能のメリットは、無加工であるRAWデータの時点で作業するため、現像後に同様の作業をするよりも高画質な状態を保てることだ。上記のRAWデータを編集する機能はプロカメラマンのみならず、高画質のデータを必要とするすべてのユーザーに恩恵があるだろう。

 なお、新機能の「補正ブラシ」や「段階フィルタ」を使ってもRAW画像の現像時間にはほとんど影響せず、CS3とほぼ同じ時間で処理できた。

Camera Rawでの現像時間

現像時間

こちらの検証にもPower Mac G5(2.5GHz)を使用。CS4となって新機能が追加されても、現像にかかる時間に大差はない

【Conclusion】
○  OpenGLをサポートしたことで、全体的に高速化が図られた。調整レイヤーによる非破壊補正も便利。総合的に使い勝手が向上した。
×  タブ形式のウィンドウ表示は、一度にすべてを閉じてしまう危険性がある。Mac版は64bitサポートを見送った。


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