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702NKから4年を振り返る

さよなら、Nokiaのスマートフォン

2008年12月01日 18時57分更新

文● 広田稔/トレンド編集部

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E61、705NK、X02NK……

E61

E61

 その後、数年にわたって、ノキアはいくつかの端末を日本市場に投入してきている。

 中でも、2006年12月発売の「Nokia E61」は、本格的なビジネス向けスマートフォンとして大きな話題を呼んだ。日本の発表前から海外版のE61を手に入れて、日本語化パッチを組み込んで使うという猛者もいたほどだ。

 E61は、ドコモやソフトバンク(旧ボーダフォン)のSIMを差し込むことで使える「SIMロックフリー端末」で、前面にズラっと並んだQWERTYキーボードは、電子メールを書いたり、ウェブブラウズ時にURLを入力するときに大いに威力を発揮した。標準で無線LANを内蔵し、パケット代を使わずにウェブブラウズやメールのやり取りをできたのも特徴だった。筆者もこの記事を始め、あれこれと試したものだ。

705NK

705NK

 2007年1月に発売された「Softbank 705NK」は、スマートフォンとしての使い勝手を実現しつつ、さらにカメラに力を入れた機種だった(関連記事)。カールツァイスのレンズと320万画素のCMOSを搭載し、きちんと設定を追い込めばケータイのカメラ機能としては十分すぎる画質を発揮してくれた。例えば、この取材記事におけるブース写真など、筆者も大いに活用していた。

X02NK

X02NK。705NKと同様、カールツァイスのレンズを備えていた

 今年4月に登場した「Softbank X02NK」は、これまで出た端末のひとつの集大成だった。無線LANを内蔵し、さらにフルブラウザーや電子メールのやりとりがパケット定額の対象となるという、ユーザーのオサイフに優しい進化を遂げた。また、今までケータイ事業者がかけていたアプリケーションのインストール制限が撤去され、「裏技」を使わなくても手軽にソフトを追加できるようになった。

 細かいところでは、音声入力としてステレオミニ端子を用意し、今までの端末のようにアダプターを用意せずに、一般的なヘッドホンで音楽を聴けるようになっていた。要するに、今までのノキアユーザーが不満に感じていたところをいろいろ解消したモデルだったのだ。

 ただ、ノキア製端末がアップグレードしていくのと同時に、日本におけるスマートフォンの数自体も増えてきた。シャープの「W-ZERO3」シリーズやRIMの「BlackBerry」、HTCの「Touch Diamond」、そして今年7月には「iPhone 3G」の上陸を迎えた。現在ではグーグルのAndroid端末も注目を集めている。

 そうした競争が激化する中で、全世界を相手にビジネスを展開しているノキアとしては、端末を日本語にローカライズしてまで売るうまみをあまり見いだせなくなったのかもしれない。

 Windows Mobile機よりもケータイらしい使い勝手で、iPhoneよりも「囲い込み」されていないアプリ環境──。いちファンとしては、そんなノキアのスマートフォンに「お帰りなさい」と言える日が来るのを願うばかりだ。


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