iPhone OSの最新バージョン2.2が、11月21日にリリースされた。iPhoneは勝手サイトからもアプリが追加でき、用途やライフスタイルに合わせた進化ができるが、ソフトウエア自体のアップデートで劇的な機能アップを可能にした点が今までのケータイより新しい。日本のケータイにもネットワークを通じたソフトウエア更新機能は搭載されているが、iPhoneのそれはより抜本的な変化も含まれる。それだけ発展途上であることを表している、とも言える。
今回のアップデートは非常に期待度が高かったいくつかの機能への対応を果たしている。念願の絵文字の対応、ポッドキャストのケータイネットワークでの対応、マップのストリートビューや交通機関を使った経路検索の対応、App Storeのインターフェース変更などが追加された。
細かい点では、Safariのアドレスバー・検索窓のデザイン変更、ホーム画面でホームボタンを押すと1枚目のスクリーンに戻る機能が追加されている。そしてストレスがあった文字入力がスムーズになり、Safariや各アプリの安定性が体感できるほど改善している。
使いやすいマップのさらなる強化
iPhoneに搭載されている標準アプリは良くできたモノが多い。中には、パソコンで使うよりもよっぽど使いやすいのではないか、と思わせるアプリもいくつかある。その1つがマップ機能だ。
iPhoneのマップアプリはGoogle Mapsの地図と航空写真データを使う。GPSで自分の位置情報をポイントしてくれて、キーワードでその周囲の検索を行なうことができる。細かい点だが、出先で扱う地図としては、今までのケータイの地図や紙の地図をも凌駕する実用性の高さがあり、都心を移動するときも旅行に行くときにも、目的地までのラスト100mに威力を発揮する、重宝するアプリになった。
そんなアプリに経路検索が強化された。自動車だけでなく、交通機関利用のインターフェースも入り、出発時間、複数の経路、自動車移動、徒歩移動など、多彩な移動方法を切り替えてマップ上で経路を確認できる。徒歩や電車の乗り降り、乗り換えポイントにはアイコン付きのピンが立ち、タップすると路線名、乗る電車の行き先、出発までの時間が表示される。
「ナビタイム」でも同様の経路検索が提供されてきたが、地図そのものとして非常に使いやすいiPhoneとの組み合わせは、新感覚である。街中で使うGoogle Mapsの威力、それをタッチスクリーンのインターフェースで実現するiPhoneは、当分最も使いやすいデジタルマップの地位を譲らないだろう。
パソコンより使いやすいストリートビュー
新感覚と言えば、マップのストリートビュー対応である。ドロップされたピンの横に、対応エリアの場合アイコンが表示される。これをタッチすると、端末を横長に持ち替えて操作するストリートビューのモードに入る。このストリートビューもまた快適だ。3Gの電波の下でも非常にスムーズに読み込み、画面をタッチして視野を移動することができる。右下の丸い地図のサムネイルは、向いている方向を地図上に表してくれて、パソコンで使う以上に迷子になりにくい。
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