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逃せば、これっきり──初代新幹線を撮る5つの心得

2008年11月27日 16時13分更新

文● 斉藤博貴

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心得1 完全に停車するまで待て!


 プラットホームに表示されている0系新幹線電車の停車位置を事前に確認しよう。そして、入線情報が駅の構内放送で流れたら撮影位置に移動しよう。最後に、完全に停車するまで待ってシャッターを切ろう。これで撮影作業は終了だ。

博多をめざす「こだま637」を新幹線山陽新幹線、相生駅~岡山駅で撮影。こちらはやや新しい100系新幹線電車だが、いつまで現役でいられるかも定かでない。ついでに撮影を済ませてしまおう

これが引退後の0系新幹線電車のスジを担う500系新幹線電車V編成。従来の500系新幹線電車W編成を半分の車両数に分割して、各駅停車の「こだま」の運用するという

 最高時速200キロを超える速度を誇る新幹線であっても、完全に停車した後なら、1/60秒前後のシャッター速度で撮影しても被写体ブレなしでシャープな描写で撮れる。日中であれば、手ブレ補正機能搭載デジカメを使い、撮影感度をISO 100~200まで下げて高画質で撮影できる。手ブレ補正機能を搭載しないデジカメでも撮影感度をオートで撮影しても問題のない画質で撮影できるはずだ。

 焦って撮影をする必要はない。高い確率で5分前後の停車時間が与えられている。停車時間中の流れは、到着→停車→高速列車が通過→出発となる。

 現在運用中の0系新幹線電車は、ほぼ全駅に停車する「こだま」運用の「普通列車」である。急行列車の「のぞみ」や準急列車の「ひかり」などに道を譲るために待避を繰り返す必要があるのだ。正直、撮影向きの列車と言える。



心得2 絞りはF5.6~8くらいまで絞れ!


 撮影モードを絞り優先に固定した方がいいかも知れない。なぜならF値を利用して十分な被写界深度を確保する必要があるからだ。

 0系新幹線電車の記録を目的とするなら、全6両の最後方まで描写できる被写界深度で撮りたい。そのためには絞りはF5.6~8くらいのピントの幅がほしい。手ブレ補正機能搭載デジカメなら、F11くらいまで絞ってもいいかもしれない。それ以上絞ると被写界深度は深くなるが、逆に画像のディテイールがぼやけてくる可能性もあるのでお勧めできない(回折ボケという悪魔の現象だ)。

絞りは開きすぎると、全体にピントが合わず、絞りすぎると回折ボケが起きる可能性があるので、F5.6~8ぐらいが最適だと思う

 理想的なピントの位置は、連結器が納められた円形ドームから運転台のガラスの辺りだ。俗に言う「車両の鼻」から「車両の目」だけは絶対にピント域に収めたい。なお、0系新幹線電車の場合、通常の16両編成とは違い、6両編成というやや短い構成になっている。最後尾までピントをピッチリと合わせるのも難しくはないはずだ。

 使用するレンズの焦点距離によっても、写真の描写は違ってくる。標準ズームで0系新幹線電車の全編成を撮るとパースが付いた勢いのある描写になる。望遠レンズで撮ると先頭から最後尾まで太さに変化が少ない落ち着いた描写になる。

 なお、大口径望遠レンズなどで撮影する場合、開放F2.8などで撮影する場合は注意が必要だ。被写界深度がかなり浅くなるので、自宅に帰ってパソコンで確認するとほんの一部しかピントが合っていないという悲劇も起こりうる。はやりF5.6~8くらいまで絞った方がいい。

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