このページの本文へ

上海株はピークの3分の1以下だが……

悲嘆に暮れる沿岸部と資金温存の内陸部

2008年11月22日 10時00分更新

文● 山谷剛史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

下落し続ける中国株。去年までは誰でも儲かるといわれた株や投信投資のツケは、特に沿岸部の人々に絶望を突きつけている。


 北京五輪開催前から下がり続ける中国株。さらに中国の最も高所得な地域である深セン・北京・上海で不動産価格も下落。株が為に自殺という話もちらほらと聞く。博打好きな傾向にある中国人の多くは今、好景気のときに行った投資のツケを払わされている。

 金融危機まっただ中の中国人株主だが、沿岸部と内陸部でその違いを見ることができる。沿岸部の広東省広州と内陸部の雲南省昆明では、収入格差は倍近い。沿岸部の大都市は経済活動が活発で稼ぎやすく、投資などへの意欲も高い。両都市で複数の投資家の話を聞くと、同じ中国人投資家でも、広州では持ち金をフルに投資する傾向があるのに対し、昆明では資金の余剰金で投資している割合が高い。

 沿岸部、内陸部それぞれの土地柄も関係するようだ。比較的おっとりとした内陸の投資家たちは、損した話を仲間内でお茶を飲みながらのネタにする。しばらくは中国国内の株式に手を出すことはないし、国外の株式には興味も示さない。当分はおとなしくしているといったところだ。

 バブル崩壊で中国人の富豪層に大打撃、そして中国経済低迷というニュースは多いが、沿岸部の被害に比べ、内陸部の小金持ちの被害は思いのほか軽微のようだ。また内陸部には投資に縁のない市民も多く、実体経済まで深く打撃を与えているという印象は薄い。中国全体で見れば、市場が目立って縮小することもないだろう。

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中