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13年間のWebデザインが分かる!資生堂のスゴいサイト

2008年11月21日 14時04分更新

文●小橋川誠己/企画報道編集部

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 13年間に渡るWebデザインの変遷をビジュアルでたどる――。そんなユニークなWebサイトを資生堂が公開している。11月4日にオープンした「資生堂ウェブサイト 13年の歩み」という特設サイトだ。同社がコーポレートサイトを立ち上げた1995年から2008年現在までの主要ページのスクリーンショットを閲覧できるこのサイトからは、その時代ごとのWebデザインの動向を感じ取れる。

資生堂

「資生堂ウェブサイト13年の歩み」。公開されているのはトップページのほか、当時のキャンペーンサイトなどの「オススメ」サイトの一部だ

 たとえば、鮮やかなブルーが印象的な開設当初の“ホームページ”は、CI(ロゴ)/メインビジュアル/メニューと3つの役割を持つ1つの大きな画像に、「インターネットはスリリングな体験」と題した福原義春社長(当時)のあいさつ文が並ぶシンプルなもの。256色の限界の中で作られた画像、CSSなどまだなかった時代にテーブルタグを駆使して実現したであろうレイアウトなど、その当時Webサイトを作っていた人なら懐かしさを感じるデザインだ。

資生堂

「サイバーアイランド」と名づけられた1995年の資生堂ウェブサイト


 一方で翌96年にはいち早く「ShockWave」を採用したコンテンツを加えたり、Web上のフォームを埋めていくことで「オンライン肌チェック」ができるページを設けたりと、かなり実験的な取り組みも見られる。

資生堂

96年にはリリースされたばかりだったShockWaveを使って、地図から古い銀座の街並みを眺められるインタラクティブなページを開設


 リニューアルなどの動きが激しくなるのが、現在のサイトに近いデザインを採用している2000年以降だ。コーポレートカラーを取り込みブランドの統一感を図る一方、Flashなどを使って商品を効果的に見せるプロモーションサイトとして試行錯誤する姿が、ほぼ毎年のように実施されているリニューアルから見て取れる。「13年の歩み」をすべて見終わったあとに現在のサイトを改めて見ると、まったく違った重みが感じられてくるから不思議だ。


左から、2000年、2003年、2004年のトップページ。これ以外にもほぼ毎年のようにトップページはリニューアルされている

資生堂

「13年の歩み」は見た目にも楽しい年表のようなデザイン

資生堂

当時のインターネット関連の動向と資生堂の歴史も分かる


 「過去のWebサイト」という、普通ならなかなか見られない貴重なコンテンツを公開している「13年の歩み」は、その取り組み自体もユニークなものだが、コンテンツの“見せ方”にも工夫がされている。Flashを全面に使ったユーザーインターフェイスの動作はさくさく軽快で、使い勝手がいい。純粋にビューアーサイトとしてもよくできている。

 年表のように時系列に並ぶアイコンをクリックすると、当時のサイトのサムネイルとともに、国内のインターネット関連の動向や、資生堂関連のできごとが表示される。より詳細が見たい場合は「拡大する」のボタンから実際のWebページに近いサイズで見られるし、現在も該当するページがある場合には「現在のページを見る」というリンクをたどって過去と現在のページを見比べることもできる。

 Webデザインの歴史的資料としても、ビューアーとしても興味深い「13年の歩み」。最新のWebサイトから“ホームページ”と呼ばれていた時代を振り返りながら、これからのWebデザインを考えてみるのも楽しい。

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