すべてにおいてスペック底上げ 高いパフォーマンスが売り
RTX1200では、ギガビット回線が普及し始めた昨今の状況を見据えた性能の向上が図られている。ルータとしての最大スループットは1Gbpsに達し、VPNスループットも200Mbpsに対応。その他、経路のエントリ数、OSPF・BGP4の経路数、PPPoEセッション数、VPN対地数、動的フィルタ数、NATセッション数などもほぼ2〜10倍近く底上げされている。少々オーバースペックとすらいえるが、3年先を見据えた高いスペックを実現しているということだろう。単なるスループットのみではなく、アプリケーションが多様化し、セッション自体が増えたことに対する処理能力の向上も大きなポイントだ。
機能面では、RTX1000/1100の円熟したソフトウェアを継承し、幅広いルーティングプロトコルへの対応、幅広いアプリケーションに対応したファイアウォール、IPsec/PPTPなどのVPN、PPPoE、DHCP、各種NATなどを実現している。その一方で、特定のアプリケーショントラフィックを守るDynamic Class Controlや、P2Pを防ぐWinny/Shareフィルタなど、近年のヤマハルータの特徴となる機能もきちんと盛り込んでいる。
設定や管理については、コマンドライン操作はもちろん、Webブラウザを用いたGUIの操作も可能だ。
携帯電話との親和性を向上 ワイヤレスモバイル回線の対応も
高いパフォーマンスとともに、RTX1200の最大の特徴となっているのが、本体に搭載されたUSBポートを経由したモバイルWAN接続である。
今までWANへの接続は、専用線やブロードバンド回線など有線の回線に限られていたが、最近ではイーモバイルを中心にモバイルWANサービスも増えている。RTX1200ではUSBポートにHSDPAなどのUSB通信アダプタを接続することで、モバイルWANサービスを利用することができる。
こうしたモバイルWAN接続は、IIJやサン電子の最新ルータにも搭載されている機能だが、定番SOHOルータともいわれるRTX1000/1100の後継で搭載される意義は大きい。電源と電波があるところであれば、すぐにWANが利用できるからだ。展示会場や工事現場など一時的な利用や、過疎地やテナントの店舗など有線の回線が引きにくいところにも対応する。もちろん、ISDNに代わるブロードバンド回線のバックアップとしても有力な選択肢といえるだろう。
数年先を見込んだ性能と最新ヤマハルータの技術をまとめて盛り込んだ点は文句もない。懸念としては、やはり大型化した筐体だろうが、価格もRTX1000/1100から据え置かれており、今後のSOHOルータの本命であることは間違いない。
RTX1200
希望小売価格●12万3900円(税込)