東工大のスパコンが170台のTesla S1070で大幅パワーアップ
米国テキサス州オースティンで、15日からハイパフォーマンスコンピューティング分野の国際会議「SC08」が開かれている。それに合わせてNVIDIAは、スパコン分野での提携や大規模システム納入を相次いで発表している。
18日には、NECとNVIDIAがGPUコンピューティング分野での提携を発表した。国内のスパコンメーカーではトップクラスであるNECと提携して、Teslaベースのスパコンを普及させようというわけだ。
両社の取り組みの最初の事例として同日に発表されたのが、東京工業大学 学術国際情報センターのスパコン「TSUBAME」にTeslaのソリューションが採用されたという事例だ。TSUBAMEに170台の「Tesla S1070 1Uシステム」を組み合わせて実現された。
Tesla S1070 1Uシステムは、1台に4基のTesla T10を搭載しているので、増設分全体で680個のプロセッサーを有する。これにより、TSUBAMEの理論値ピーク性能は170TFlopsに、スパコンの性能指標として利用されるLinpackによるベンチマークテスト結果では、約77.48TFlopsもの性能を発揮したという。
これは世界のスパコン性能ランキングである「Top500」でも、29位(2008年11月のランキング)に位置するほどだ。ちなみにTSUBAMEは2006年7月に披露された時点で、Top500の記録では38.18TFlopsとされていた。それが現在では倍以上の性能を有することになる。
スパコン分野で幅広い実績を持つNECとの提携により、Teslaベースのスパコンの採用事例も増えていくだろう。CUDAもいよいよ本格的な普及期を迎えたようだ。
