世界的不況の中、東芝の液晶テレビ「REGZA」が売れている。GfKジャパンの統計によると、10月の薄型テレビ市場で東芝のシェアは2位(17%)でその伸長率は175%。市場の伸長率(116%)を上回っている。
最近のREGZAといえば福山雅治のCMが印象的。吉永小百合や矢沢栄吉が台頭する中、東芝は福山雅治を起用して大々的なプロモーションを展開しているが、その成果が着実に出ているようだ。
フクヤマ効果で認知度80%を目指す
REGZAシリーズは当初、外付けHDDやNASを接続して録画ができたり、細かい調整ができる画質設定などがウリだった。このため画質・音質にこだわりを持つ男性ユーザーの認知度は高いが、女性にはなかなか認知してもらえなかった現実がある。
この状況を打破するために、この年末商戦は女性から圧倒的に支持されている福山雅治をCMに起用した。
効果は上々で、REGZAのブランド認知率は昨年と比較して20%アップし、現在は60%になったという。さらに年末までには80%を目指したいとのことだ。
小型のラインアップとテレビで録画が追い風に
REGZA好調の要因はそれだけではない。不況の影響で今年の年末商戦は高額な薄型テレビ――特に40型以上の大型テレビが苦戦しそうだ。
大型のハイエンド機種に絞って新製品を投入したメーカーが多かったが、東芝はハイエンドからミドルレンジまで一気に6機種を投入した。そのうちの5機種に40型以下のモデルが用意されている。
さらに、HDDレコーダーを使わず、薄型テレビで直接番組を録画する機能が認知されている状況も見逃せない。日立、東芝に続き、パナソニックやシャープも録画機能をテレビに搭載した。
東芝の大角正明氏は、不景気な状況を踏まえて「景気ですから気が大事」と口にしたが、不景気をバネにしたREGZAの躍進が始まるかもしれない。