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総額1000万円のシステムで聴く、マニア垂涎の試聴室

2008年11月13日 19時32分更新

文● トレンド編集部

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Refenece One。中央にあるのが600Wの高出力を誇るPASSのモノラルパワーアンプ「PASS X600.5」×2。説明をしているのは、パイオニアの100%子会社TAD Labs代表取締役社長の宮川 務氏

 総額1000万円クラスのシステムで、自分の大好きな音楽が楽しめる。そんなマニア垂涎の試聴室が東京・目黒のパイオニア本社に登場した。

 「第1スタジオ」は、目黒本社が完成した1974年1月に開設。今回はこれを改装し、フラッグシップスピーカー「TAD Reference One」(1本315万円!)の試聴室としたもの。常設の2chシステムと、5.2chシステムが日替わりで楽しめる。

 第1スタジオは、最高のものづくりを志すという同社の姿勢を体現してきた。FM全盛時代には小室 等氏のラジオ番組もここで収録されたという。スタジオというと、残響を極力排したデッドな音響特性を取る場合が多いが、今回は「ライブフロント・デッドエンド」がコンセプト。残響が自然に広がるライブな音響特性を基本としながら、後方はデッドとし、サラウンド再生時でも明確な音像が得られる。

左がCDプレーヤーの「EMT986」。右がプリアンプの「PASS XP-10」。ライブ感を強調した音響とのことだが、機器の構成からも、骨太でダイナミックな音を志向していることがうかがえる。

 スタジオの壁面には天然木(無垢のヒノキ材)を使用。34年間スタジオで用いられてきた材料を再利用している。十分に乾燥が進み、油分も抜けたことで、良好な特性が得られるという。壁面に関しては、正面壁に0.5度の傾斜をつけて、床への反射を軽減。左右壁に亀の子状、天井には山型の拡散板を追加した。電源ラインの引き回しやホスピタルグレードのコンセントなど細部にもこだわりを見せる。

 TAD Reference Oneは、250Hz~100kHzまでを担う同軸ユニットと、25cmのダブルウーファーで構成。厳密な位相管理など、現代的なスピーカーの要件を野心的に盛り込んでいる。まだ導入後1ヵ月程度とのことで、若干の生硬さを感じたが、そのポテンシャルはやはり圧巻だ。女性ボーカルでは中央に人物が浮かび上がるような明確な定位、パイプオルガンとコントラバスの演奏では、迫力のある重低域を聞かせた。時間が経過して音がなじむと、どうなるかが楽しみだ。

 試聴には電話による予約が必要(03-3495-9911)。15日から受け付ける。試聴可能なシステムの構成は下記のとおり:

2chシステム
TAD Reference One
PASS XP-10、PASS X600.5×2
EMM Labs EMT986
5.2chシステム
S-1EX×2、S-2EX×2、S-7EX×1、S-W1EX×2
SC-LX90
BDP-LX80
KURO KRP-600A
プロジェクター・スクリーン

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