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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第47回

au楽器ケータイでインタラクション・デザインを追求する

2008年11月14日 21時23分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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さすがは楽器そのものを作るヤマハ。質感から感触まで、本物の楽器を再現する物づくりは細部にまで及ぶ

きっかけは音源チップと工場

 なぜauはヤマハと共に「楽器を憑依するケータイ」というコンセプトを作り出したのだろうか。

 auのケータイは、デザインと共に「音楽」という軸を持っている。LISMOや着うたフルのプロモーションなどで、音楽に強いブランドイメージを確立してきた。

 そもそもケータイの音は、ビープ音から始まった。同じ音でパターンが違う音が選べる程度だったなんて、もはや懐かしい記憶である。そして「着メロ」が始まった。始めは単音の音階だったが、だんだんFM音源の和音が8、32と増えていき、WaveTable音源によるリズムやストリングスなどが加わる。そしてPCM音源が加わったり、ステレオや3D再現が入って表現力を格段に増し、「着うた」へと続く。

 この着うた直前まで進化した着メロの音源チップの環境は、僕が中学生の頃にお手軽に揃えたMIDI音源を使ったDTM環境をポケットの中に入れている感覚だ。そして現在はAVアンプのように音場効果まで再現するまでになった。その裏には、auのケータイのDNAの一部となって内蔵されているヤマハの音源チップがあった。もともとauとヤマハは関係があったのである。

 さらにヤマハは、2008年4月25日、TENORI-ONという岩井俊雄氏とのコラボレーション製品を発売した。音楽の知識が無くても、視覚的・直感的に音楽が作れる音楽インターフェイスである。メディアアートとしても、インタラクション・デザインとしても面白い。

LED付きのボタンを押すだけで音楽ができあがるTENORI-ON。初台ICCにて

 「ヤマハは金属や木製のアーティスティックなカタチを持つ楽器を作っている一方で、auのケータイに入っている半導体も作っている。アナログとデジタルを音づくりというテーマで融合させている現場がありました。そしてデザイナー集団としても魅力的で、家電やデジタル機器とは違うアプローチでコラボレーションするパートナーとしての魅力を感じました」(砂原氏)

 こうして、au design projectはヤマハとのコラボレーションをすることになったのである。

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