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PCゲームを堪能する片手用ゲームコントローラー小特集

2008年11月15日 20時02分更新

文● 西川善司・トライゼット

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ショートカットキーとジョイパッドを融合
Belkin n52te

Belkin n52te

Belkin n52te

 洗練されたデザインを持つBelkinの「Belkin n52te」は、後述のSaitek「Cyborg Command Unit」とコンセプトがよく似た製品だ。購入の際には、おそらく1対1で比較されることが多いと思われる。

 n52teがターゲットとしているゲームはFPS、RTS、MMORPGなどPCゲーム全般。前出のWolfking Warriorとは異なり、「キーボードデバイスとしての呪縛」から解放され、ゲームコントローラー寄りの設計思想を積極的に取り入れた雰囲気を感じる。その代わり、使用には専用のドライバーソフトウェアのインストールが必須となる。

 基本的な構造としては左手の人差し指から小指までの4本指で操作するメインキーボードのブロックと、親指で操作することになる十字パッド(Dパッド)のブロックから構成されている。言うなれば、キーボードとジョイパッドの融合体だ。

n52teはキーボードとジョイパッドの融合体だ

n52teはキーボードとジョイパッドの融合体だ

 メインのキーボードブロックには14個のキーがレイアウトされているが、キートップにはアルファベット表記はなく、[01]~[14]までの数字が書かれた未来的なイメージの無機質なデザインとなっている。

 [03][08]がキーボードの[W][S]、[07][09]が[A][D]を想定したデザインとなっているようで、ここに人差し指、中指、薬指を置くスタイルがホームポジションとなる。パームレストに手の平を乗せると、整然と並んだ[02][03][04]と[07][08][09]の6つのキーを自然に3本の指で押せる。[06]と[11]は小指で押すことになるが、[11]はやや内向きの角度がつけられている。小指を曲げたときに押しやすくするための心憎い配慮だ。

 [12][13][14]も同様に、キートップに斜めの角度がつけられている。こちらも人差し指、中指、薬指の3本を手前側に折り込んだ状態で押しやすくするための配慮だ。キーの配置と形状は、非常によく考えられている。

 [01][05][10]の3キーはホームポジションから遠いので、ミスタッチしては困るようなコマンドを割り当てるといいだろう。同様に[03][07][08][09]を方向入力として使用するスタイルでは、デフォルトでスペースキーが割り当てられている[15](ボディー右下)も、親指で押すには遠い。[15]はキーサイズこそ大きいが、頻繁に押す操作には向いていない。

 十字パッドには取り外し可能な円盤状の天板(サムスティック)が取りつけられており、滑りにくく入力がしやすい。デフォルトでは、水平方向の左右操作が前後入力に、垂直方向の上下操作が左右入力に割り当てられているのは賛否が分かれそうだが、使ってみるとこの割り当てでも違和感はない。なお、十字パッド上部にある丸いトリガーボタンは、他のキーと同じように任意のキーを割り当て可能だ。

十字パッドをメインに活用する場合は、写真のようなホームポジションの方が押しやすい

 十字パッドに重要なコントロールを割り当てて使う場合には、キー側のホームポジションを右にずらして、人差し指が[10]に来るような手の乗せ方の方がしっくり来る。このあたりは好みに合わせて使い分けるとよい。

 キーボードブロックと十字パッドの間にレイアウトされているマウスホイールは、あまり使い道がないように思えるが、これは意外に便利だ。例えば、マウス側のマウスホイールの上下に武器変更、ホイールの押し込み操作に別の操作……例えば特殊攻撃などを割り当てているゲームの場合、マウスホイールを回転させたときに強く押してしまい、特殊攻撃が暴発するようなミス操作を起こしやすい。

 そんな場合には、マウス側のホイール操作とn52te側のホイール操作を別々に割り当てることで、ミスを回避できる。例えば、マウス側のホイール押し込みで特殊攻撃、n52te側のホイールに武器変更などを割り当てればいい。n52te側のホイール操作も任意のキー操作に割り当てられるので、狙撃銃のスコープモード起動を押し込み操作に割り当て、ズームイン・アウトをホイール回転操作に割り当てれば、雰囲気も満点だろう。


パームレストの調整ギミック搭載
LEDバックライトは暗闇でのプレイに最適

 盛り上がったパームレスト部分は取り外しが可能だ。パームレストの差し込み口は、約2cmほど間を開けて2パターン用意されており、差し込む位置を変えることで、手の平からボタンまでの長さを調整できる。また、十字パッド上の円盤は取り外しが可能で、外してしまえばゲームパッドライクな手触りに変更できる。

パームレストは取り外し可能

パームレストは取り外し可能で、取り付け穴が前後2組ある

パームレストは前後に2段階に設置できる。十字パッドの天板は取り外し可能で、直接十字パッドに触れたい人は取り外すといい

 背面にはLEDバックライトのスイッチがあり、点灯時はキーボードブロックとホイールが青く浮かびあがる。見た目のかっこよさだけでなく、暗い部屋でのゲームプレイにも役立つ。

暗闇に青く浮かび上がるキーとホイール

暗闇に青く浮かび上がるキーとホイール

 キー設定を行なうソフト「n52te Editor」は、プロファイル管理が玄人向きすぎて、取っつきにくい。だがその分自由度は高い。

 n52teのすべてのキーやボタンには、キーボードの任意のキーを割り当てられる。複数キーを順番に押したり、同時キー押しのような複雑なマクロコマンドは、n52te Editor右端のタブにある「MACRO EDITOR」を利用して作成し、そのマクロを任意のボタンに割り当てる仕組みになっている。少々複雑だが、一度作成したマクロは別のゲームのプロファイルにも利用できるので、実は意外に合理的だと気がつく。

キー設定ソフト「n52te Editor」

キー設定ソフト「n52te Editor」。右のペインがMACRO EDITOR

 作成したキーカスタマイズ情報は、プロファイルとして3つまで同時に登録可能だ。今どのプロファイルが利用されているかは、[15]キー下にある青赤緑の三色LEDで表される。プロファイルの切換操作はデフォルト状態にはないので、ユーザーが自分で任意のキーやボタンに割り当てる必要がある。

 プレイ中にプロファイル切換を頻繁に行なうことはないと思うが、あえて割り当てるとすれば、押しにくい[15]キーがおあつらえ向きだと思う。押しにくい分、誤操作しにくいし、インジケーターのLEDランプとも近いので直観的だ。

3つのプロファイルのうち、どれが選ばれているかは、青赤緑のLEDインジケーターの光で判別する

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