DIGIC 4の優秀さが際立つ色彩美
次に色作りを見ていこう。これはG10のほうがやや色が濃く出るようだ。
下の画像はマクロでモミジを撮影したときのサンプルだ。G10は広角側が28mmで、G9は35mm。ほぼ大きさが同じようになるように画角を調整した。G9がやや青がかかったような感じになるのに対し、G10で撮影したものはピッと浮き出るような感じで撮影されているのが分かる。、DIGC 4の優秀さは理解してもらえるだろう。
さて、G10で新たに設定できる機能として、特筆すべきものが「暗部補正」だ。例えば明るい場所で樹木を撮影した際に、濃淡の差がないものは潰れて立体感のないように映ることがある。このとき暗い部分の明るさを上げ、より「画像」として自然に見えるようにするものだ。説明よりは、サンプルを見てもらったほうが、この機能の効用が分かるだろう。その実力はスナップを楽しむユーザーには特に重宝されるはずだ。
撮像素子のサイズはそのままで画素数が有効1210万から1470万へと上がり、画素ピッチが狭くなっているのに、従来と同じレベルで抑えているのは望ましい。このあたりはキヤノンの画像処理技術の勝利だ。
また、前回テストしたように、夜間撮影の結果を見ればその差は一目瞭然で、DIGIC IIIからDIGIC 4への画像処理エンジンの進化ははっきりと体感できる。つまり定評のあったDIGIC IIIの絵作りはそのままに、高感度方向への修正を行なったのがG10なのであり、製品の謳い文句である「熟成」というのは的を射たものであると言える。